日本の教科書検定で尖閣諸島(中国名:釣魚島)が日本の領土と記述されたことを受け、中国では強い反発が広がっている。香港の東方日報は、「中国が核を使用する勇気を示さなければ、中日間に平和は来ない」と報じた。

 5日付香港紙・東方日報は、「日本は世界のなかで唯一、100年の間に2度も核による打撃を受けた国である。1度目は、米国による原爆投下、2度目は今回の福島の原発事故。日本は核に対して非常に敏感であり、中国がこれを利用しない手はない」とする記事を掲載した。

 記事は「多くの日本人にとって、広島、長崎に落とされた原爆は忘れることのできない悪夢であり、心の傷となっている。さらに今回の原発事故による不安と恐れから、日本の官も民もまひ状態に陥り、政治家は支離滅裂な発言を繰り返し、最も優先すべき災害救援活動がおろそかになっている」と指摘した。

 さらに「日本は中国には“ノー”と言えるが、核には“ノー”と言えない。中国が日本の尊敬を勝ち得るためには、核について言及し、さらには核の使用も辞さない態度が必要であり、こうしてはじめて中国と日本の間に平和が訪れる。日本という国は自尊心が高く、負けた相手にしか屈しない。日本は、第二次大戦で米国に敗れたと思っても、中国に負けたという認識はないため、中国には強い態度で迫る。

 尖閣諸島の問題についても、このような国難の時にあっても、教科書問題を通じて中国を挑発してくる。このような国に対して、中国はなぜ核の先制使用はしないと約束するのか?」などと結論づけた。(編集担当:中岡秀雄)



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