津波で大量の車が「覆瓦状構造」になった画像
Photo:AP Photo/読売新聞、竹田津敦史氏
上の写真は、日本史上最大の地震が東日本沿岸部を直撃した2011年3月11日金曜日に、茨城県ひたちなか市で撮影されたもので、地震によって発生した津波で流された車の空中写真だ。
これらの車は、輸出の船積みために待機していたところを、津波で盛り上がった水に押し流され、屋根瓦のように重なり合った。
車の様子をもっとよく見たければ、『Boston.com』の『The Big Picture』ブログの写真を見て欲しい。[時事通信サイトにも、ヘリから撮影し全体像がわかる画像が掲載されている]
このような重なった構造は覆瓦状(インブリケーション)構造と呼ばれ、水が動いた結果として形成された堆積鉱床でよく見られるものだ。小石や砂利は、転がったり、跳ね返ったり、ぶつかったりしながら川底を移動し、最終的に別の石の「背中」に乗り上げて、安定する位置を見つける。
[覆瓦(ふくが)状構造とは、破砕された堆積物(通常は礫岩)の主な偏平な面が,川や海浜など水流の強い所では上流に向かって傾斜して,互いに瓦を並べたように積み重なって配列する状態]
古い堆積鉱床において、覆瓦状態となった石を観察すると、その過程について重要な情報を得ることができる。たとえば、流れが動いた方向がわかり、当時の状態を再現するための貴重な情報となる。下の例では、流れは左から右であったし、上の車の写真では、流れは右から左だ。
覆瓦状構造――Image:サンディエゴ州立大学、Point Loma Formation、Jhonny E. Casas
[日本語版:ガリレオ-平井眞弓]