ローマの売却をめぐってアメリカからトーマス・リチャード・ディベネデット氏がローマ入りした。同氏は「ウニクレディト」と交渉をと続けている。複雑な交渉のため、双方の弁護士は多くの側面について動いており、両者は昼食も夕食もともにしている。

28日の交渉は12時ごろに始まり、22時ごろに中断。ウニクレディト銀行のロベルト・カッペッリ弁護士は「とても実りある話し合いだった。まだやるべきことはたくさんある。明日の朝にまた会うよ」と話した。

そのディベネデット氏は『ガゼッタ』の独占インタビューで、「君らイタリア人は『すべての道はローマに通ず』と言うだろう? 私は、我々が実現したことをいつかみんなが見ようとこの道を通っていくことを願っているんだ」と語った。

――なぜ、ローマなのですか?
「ほかのクラブは考えなかった。素晴らしい街だ。ビジネスという手段で、サッカーのような重要な情熱をもって、ローマを世界で代表できるということは、私にとって非常に大きなチャンスなんだよ」

――クラブ組織について具体的な考えは?
「この数日でウニクレディトとの交渉を終えたい。組織について話すのは早すぎると思う。我々は、今のローマのために働いている人たちをリスペクトしている。彼らと話すよ。ただ、我々の考えもあるし、できるだけベストのチームをつくるために頑張っていく」

「タレントを発掘し、競争力あるチームをつくれる人たちとやっていくよ。我々が関心あるのはそこなんだ。投資に対する戻りを得るには、勝つしかないんだよ。繰り返すが、ローマを世界トップクラスのクラブにすることが目標だ。街が常に誇りに思うようなチームにすることがね。ただ、時間はかかるだろう」

――会長として最初に決断することは何になるでしょう?
「収支を落ち着かせることだ。クラブをファイナンシャルフェアプレーの基準に沿うようにすることだよ。いずれにしても、だからといってすぐに良いチームをつくれないということではない」

――現在のチームに対するお考えは?
「チャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得できるように願おうじゃないか。確かに期待は裏切ったし、(クラウディオ・)ラニエリが仕事を離れたフラストレーションというのがそれを示している。最近は回復してきたが、まだコンスタントじゃない。(フランチェスコ・)トッティのゴールと(ミルコ・)ヴチニッチのパフォーマンスを信頼している」

――ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督はお好きですか?
「彼は偉大なストライカーだった。熱意と新たなエネルギーをチームにもたらしたね。だから、うまくやっていると思う」

――あなたの“チーム”には、来季のチームに向けて動いている人はいるのですか?
「私のチームは、世界のサッカーをとてもよく知る人たちで成り立っている。そのときが来れば、現在の経営陣と話すだろう。彼らはよくやっている。何人かの選手たちを売り、何人かが加わるだろう。少なくとも、5、6人は新しい選手が来るだろうね」

――本拠地オリンピコの施設についてはいかがですか? ローマ対インテルをかつてご覧になったんですよね?
「そうだ。ヴチニッチの素晴らしいゴールで勝った。あのときのロマニスタの情熱には圧倒されたよ。アメリカで比較できるものはない。ただ残念なことに、このローマの応援に適した施設がないんだ。オリンピコはロマニスタに情熱をまったく与えられていないんだ。スタンドはあまりにピッチから遠く、距離があれば喧騒は消えてしまう。だからこそ、新しいスタジアムが必要なんだよ。今までと違う、イングランドのような施設だ。選手たちにもポジティブな影響を与えるようなスタジアムだね」