12日のEURO12予選、イタリア対セルビアの一戦で暴挙に及び、試合を中止へと導いてイタリア警察に逮捕されたセルビアのウルトラス、イバン・ボグダノフ。弁護士によると、ボグダノフは大量のアルコールを飲んでいたことを認め、あらためて謝罪するとともに、あらゆる政治的活動からは距離を置いたという。

また、母親のファニカさんはセルビア紙『Alo』のインタビューで、イバンのことを「世界で最も可愛い、最高の息子」と称すとともに、「紳士的で愛他的であり、良い人間であることから代償を払った」と話した。ファニカさんはイバンとともに住んでおり、父親は半年前に亡くなっている。ファニカさんはイバンがフーリガンをたきつけたなど信じられず、新聞などでの息子への批判に心を痛めているとも語った。

一方、セルビアサッカー連盟（FSS）は“反撃”に出ており、イタリアを批判している。FSSのカラジッチ会長は「運営の責任はホーム側にある。UEFAの規約によれば、主催側は事故を防ぐためにあらゆることをしなければならない。我々はやるべきことをやり、危険に対するイタリアの注意を促した」とコメントした。

さらに、イタリア当局が「我々の警告にもかかわらず、事故を防ぐために何もしなかった。試合直前の混乱に直面してからも、何もしなかった」と批判。同会長は「パスポートを持つ者は誰でもチケットを買い、旅行する権利がある」と、セルビア側がやるべきチェックを怠ったとの批判は「根拠がない」と一蹴し、驚くことに「再試合を要求する」と宣言している。

これに対し、イタリアサッカー連盟（FIGC）は「落ち着いてUEFAでの規律審議過程を待つ。FIGCは責任ある振る舞いを維持する考えであり、それは12日以降の振る舞いや発表においてそうだったのと同じだ」と発表した。