インド紙「ザ・タイムズ・オブ・インディア」は9日、中国の軍人がしばしば「Love Flower(愛の花)」の採取のため、アルナーチャル・プラデーシュ州に侵入すると報じた。「愛の花」は、精力増強の効能があるとされる漢方薬材の「冬虫夏草」という。

 アルナーチャル・プラデーシュ州はインドが実効支配しているが、中国も領有権を主張している。中国語名は「蔵南地区」。同地域に立ち入った中国軍の軍人がインド側の保安要員に尋問されると「野生のきのこを採りに来た」などと釈明するが、実際には高価な「冬虫夏草」が目当てと言う。インド側は目下のところ、中国軍人の度重なる「越境アルバイト」を、軍事的脅威とは考えていないという。

 「ザ・タイムズ・オブ・インディア」によると、越境してくる中国軍人は冬虫夏草を「Love Flower」と呼んでいるという。

 中国国内で冬虫夏草がみられるのはチベット自治区、甘粛省、雲南省などの高海抜地帯の森林や草原地帯。価格高騰のため乱獲がひどくなり、一部地域では絶滅の危機にあるとされる。(編集担当:如月隼人)



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