担当M(以下M):準々決勝では4試合のうち南米勢が3試合で負けるという驚きの展開になりました。

ラモス(以下R):アルゼンチンのように0-4で負けるというのはチームに欠陥があったと言わざるを得ないですね。マラドーナ監督の采配を含めて大きな問題がありましたね。問題があったと言えばブラジルも同じで、どうしてドゥンガ監督があまり策を打たなかったのか、僕にはちょっと分かりませんでした。

M:たとえばどんな策があったのでしょうか。

R:僕なら1-2と逆転された時点でボランチのフェリペメロを下げてニウマールを入れ、ロビーニョをトップ下に置いたボックス型の中盤にしたと思います。相手が4-3-3だったからボックス型にすることでマークのずれが出てくるんです。そこに勝機を求めたと思いますね。逆にオランダはハーフタイムまでにブラジルをしっかり分析して修正しました。そこが勝敗を分けたと思います。

M:ドゥンガ監督には頑張ってほしかったのですが……。

R:僕もですよ。でも監督は調子の悪いカカにこだわりすぎたとも思いますね。今さらですが、ロナウジーニョのように流れを変えられる選手を連れて行かなかったのも失敗でした。監督にはこだわりも必要ですけど、そこをあえて我慢して選手を使わなければならないときもあるんです。それが今回裏目に出た気がします。

M:パラグアイの奮闘は、もしかしたら日本がそこに、と思うと余計にハラハラしました。

R:本当に健闘していましたよね。PKを外してしまったのは残念でしたけど、外した選手を責められないし、責めちゃいけないと思いますね。それは駒野も一緒ですよ。勇気を持って蹴ったんだから。

M:駒野選手も立ち直ってくれたようです。

R:だけど、僕は日本の選手たちに言いたいことがあります。今、ヒーロー扱いしてもらっているかもしれないけど、上に行こうと思ったらそれじゃダメなんです。アルゼンチンではゴールがなかったとメッシが非難されているそうです。ベスト8に行くようなチームは、それくらいのプレッシャーを受けるものなんですよ。だから今の状態に満足してほしくない。なぜ負けたのか、そろそろ冷静に振り返り始めないとね。自分たちとベスト8、ベスト4の選手たちとどれくらい違ったのか。厳しいことを言うようだけど、今こそしっかり試合を観て、そして差を感じてほしいと思っています。メディアも甘やかすだけじゃ選手は育たない。僕はちょっと近頃の報道の姿勢には疑問も感じますね。