これでは教育にならない? 小学生フットサルの“八百長”に保護者抗議。

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先日、台湾の教育局が開催したスポーツ大会で、子どもたちのプレーに保護者が激怒し抗議するという一件が起き、テレビや新聞などのメディアを巻き込む騒動となっている。なぜ健全な目的を持って催されたスポーツ大会が、騒動に発展してしまったのだろうか。

そもそものきっかけは、5月19日に行われた小学生フットサル大会の様子を保護者が撮影した動画だった。動画には2つの小学校の代表チームがフットサルの試合を行っている模様が映し出されているのだが、片方のチームは自陣内でパスを回すのみで、一向に相手陣内に攻め上がろうとしない。相手チームの選手もボールを奪おうと動きはするものの、積極的なパスカットは試みず、自陣内を軽く走り回っているだけだ。

実はこの両校、この試合で引き分ければともに決勝にコマを進めるとあって、引き分けを狙ってわざとこのようなプレーに執心している。そしてそれが試合を観戦していた保護者たちの反感を買い、「子どもたちの“八百長”を認めている」と抗議。大会主催者側である教育局を巻き込んだ問題に発展してしまったのだ。

もちろん保護者だけでなく、同大会に参加していた他校の子どもたちも激怒。現場にいた教育局関係者や審判員が黙って“八百長”を眺めていることも火に油を注ぐことになった。結局、問題の2校は0−0で試合を終え、そのまま決勝に進出。両校で決勝戦が行われた。

言うまでもなく、保護者が激怒しているのは問題の2校が決勝進出を果たしたからではない。子どもたちがスポーツマンシップを無視したプレーをするとともに、子どもの教育を監督すべき存在の教育局が黙ってそれを見過ごしたことに怒りの矛先が向いている。ときにプロスポーツの世界でもこうした“八百長”が物議を醸すことはあり、それはそれで問題なのだが、さすがに小学生がそれをマネてしまうことを看過できない大人は多かったようだ。