現在のミランは2010年が始まったときとは違う。インテルとのダービーに敗れてからストップし、調子を取り戻していないかのようだ。その後の結果、そしてチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦ファーストレグでマンチェスター・ユナイテッドに敗れたことは、さらに気分を落ち込ませている。敵地でのセカンドレグで挽回することを、レオナルド監督は「可能」どころか「普通」だと話しているが、ミラネッロに通う者にとっては一種の奇跡のように感じられている。

さらに心配なのが、オーナーであるシルヴィオ・ベルルスコーニ氏の発言だ。「ミランは勝つためのすべてがある。ただし、うまくプレーさせればね…」というオーナーのコメントは、明らかなレオナルド監督への批判だ。20日の記者会見で、レオナルド監督はオーナーと話をし、すべてはっきりさせており、問題など存在しないと言うだろう。だが実際は、問題は存在しており、同オーナーの発言は非常に大きく響いている。

リーグで最も厄介なチームの一つであるバーリとの敵地での対戦は、ミランにとって最悪のタイミングで訪れた。さらに、24日には、延期されていたフィオレンティーナとの一戦も控えている。つまり、レオナルド監督はマンUとのセカンドレグを待ちながら、3日間でシーズンの大半を懸けることになるのだ。そして、プロジェクトの有効性をオーナーに納得させるようと目指すこととなる。

唯一のポジティブな要素は、ケガでマンU戦を欠場したFWマルコ・ボッリエッロが、筋肉の負傷から復帰したことだ。彼はアレシャンドレ・パト、ロナウジーニョとともに先発として3トップを組むだろう。レオナルド監督は彼に大きく期待している。マンUに敗れてから、すぐに立ち上がることは絶対に必要だ。ただ疑問なのは、今のミランにそのエネルギーがあるかどうかである。

バーリの武器は運動量とスピードだ。ミランがそれに対抗できるかどうか、マンU戦の後半に苦しんだことを考えれば、疑問符がつくのは当然だ。しかも、ケガ人の問題もある。ルカ・アントニーニは1カ月の離脱となり、クラレンス・セードルフも10日ほど止まらなければならない。マンシーニも同様で、ジャンルカ・ザンブロッタはいつ戻れるか分からない状態だ。カハ・カラーゼも筋肉疲労で、フィリッポ・インザーギは風邪。もはや、目を閉じて運命に身を委ねた方が良いだろう。