ジェットエンジン付き自転車、時速118kmを達成

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Keith Barry


Photo: Bob Maddox

エンジン狂のBob Maddox氏が、ジェットエンジン搭載自転車とともに再び登場した。この新しい作品は双発エンジンで、同氏が昨年乗っていたすさまじい単発ジェットエンジン自転車(日本語版記事)の影を薄くするものだ。

Maddox氏は新しいエンジン搭載自転車を作成するにあたり、普通の自転車の側面にデュアル・エキゾーストのパルスジェット・エンジンをボルトで固定した。同氏は皮のジャケットとヘルメットを着用し、この新しい自転車にしっかりとつかまって、時速118キロメートルでさびれた田舎道を爆走した。

Maddox氏が昨年、単発ジェット自転車で時速80キロメートルを出したとき、われわれは同氏を正気ではないと思ったものだった。

今回の自転車についてMaddox氏は、「97キロを超えたあたりから、もうこれ以上、どこまで速くなるかは知りたくない、という気分になる」と語った。

同氏は、自分の体にパルスジェット・エンジンをくくりつけてスカイダイブしたことのある人物でもあるが[日本語版記事]、その彼をもってしても、この自転車は手強いようだ。

パルスジェットの技術は、スウェーデンで開発された20世紀初頭にまでさかのぼる。ドイツは第二次世界大戦中に、『V-1』ミサイルの推進装置としてパルスジェットを採用し、「騒音爆弾」とも呼ばれた。[パルスジェット・エンジンは構造が単純なため、DIYで製作する人たちも多い。詳しくは日本語版記事]

この著しく単純な構造の内燃エンジンでは、空気と燃料を混合し点火するというプロセスが、1秒当たり約70回繰り返される――これが「パルス」(脈動)と呼ばれるゆえんだ。動力には、ほぼすべての燃料を使うことができる。

オレゴン州メドフォード在住のアーティストで家具職人でもあるMaddox氏は、8年前からパルスジェット・エンジンに取り組んでいる。昨年、オランダのコレクターのために、きれいな紫色のパルスジェット搭載自転車の制作に取り掛かった。同氏のこの最新作品は、米Electra社の2005年製品をベースにした、レトロな雰囲気の美しいマシンだ。重量はおよそ38.5キログラムで、双発パルスジェット・エンジンを動力とする。

なぜ双発なのかって? 当然のことじゃないか?

「このバイクはエンジンが2つ搭載されているものの、実際には2本の排気管の付いた単発エンジンだ。推力60ポンド(約27キログラム)のエンジンを積み重ね、燃焼室に穴を開けて、両方が1つのエンジンとして循環するようにした」とMaddox氏は述べている。この新しいエンジンには、押しボタン式のスターターとスロットルが付いている。

音はとんでもなくうるさい、とすでに説明しただろうか? 耳栓をするのを忘れてしまうと、ほとんど何も聞こえない。パルスジェットを全速力で動作させたら、鼓膜が破れる可能性がある。

「排気管の短いハーレーだって、この自転車の騒音にはかなわない。良くも悪くも」と同氏は語る。

アンバランスなエンジン搭載方法と、自転車用の細い車輪にもかかわらず、乗り心地は非常にスムーズだという。

「人々は片側に引っ張られるのではないかと心配するが、そんなことはない。車輪のスポークは太く、ずっしりとしたチューブのタイヤは空気圧65psiに充填してあるので、振動もせず、時速80キロメートル程度で走るのにはまったく危険を感じない」とMaddox氏は述べる。

このジェット自転車は、現在オランダに向け輸送中だ。Maddox氏はすでに次のプロジェクトに取り組んでいる。推力1400ポンドと見積もるドラッグバイクで、「世界最速」になるはずだという。このニュースについては今後もお伝えしていくつもりだ。

WIRED NEWS 原文(English)

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