最近のスーパーマーケットのお会計シーンでは、環境のためのノーレジ袋運動がずいぶん根付いてきた。
ブランドの高価なエコバッグがブームになったりするこのご時勢、マイバッグ持参でレジ袋を断ればポイントがついたり、一時預かり金のみで、スーパーのカゴをマイカゴとしてそのまま持ち帰れたりと、この背景には、店側の努力も大きい。
ところが、そのエコのための、マイバッグを悪用した万引きが増えていると、北海道のメディアが伝えている。

報じられた場所は、十勝管内。
マイバッグを悪用した万引きの手口の主流は、買いまわるときに、店の買い物かごにマイバッグを入れて直接商品を詰め、レジを通さず、バッグだけを持って退店するというもの。
店舗管理の業務にあたっている関係者によると、同種の事案が目立つようになったのは数年前から。万引きのうちの約2割はこの手口で、毎月数人を捕まえるという。バッグを使っての万引きだけあって、1件の被害金額が大きく、1万円から時には2万円台のことも。店にとっては、かなり大きな痛手だ。
別の店舗関係者は「精算したことを意味するレジ袋は万引き防止の役割も果たしており、マイバッグの普及と万引きの増加は比例して当然」。しかし、「監視員の増員や防犯カメラの増台は店側の負担が大きい。現実としては消費者の良心に頼る面が大きい」とこぼす。

私の理解では、マイバッグの使い方は、店内は店備え付けの買い物カゴで買い回り、レジで持参したマイバッグに詰め替えてもらうのが、本来のはず。この件は、エコバッグは普及したものの、使い方がまだ完全に浸透していないことを逆手にとっての万引きということになるのか。まさか自分が買った普段づかいのバッグに、直接商品を入れる人はいないだろうから、店側が販売しているロゴなどの入ったバッグだから、これに直接詰めてもいいと思っている人がいるということか。
店内でマイバッグに直接詰めている人を見かけたら、店員が丁寧に注意するとか、店内に使用方法を掲示するとか、とにかく、店内でマイバッグに物を詰めている人を誰が見てもおかしい!と思う環境を作ればよいのだ。監視カメラや警備員以前に、まだ方法はあると思う。
私の見た、マイカゴ実施の店舗は、清算後に、カゴを店のテープで封印していた。マイバッグも清算後にシールを貼るなどするのも手かもしれない。
せっかく根付いた日常レベルのエコを、少数の不心得者によって台無しにされるなんて、本当にもったいない。

(編集部 上芝まいこ)