リヨンのバロシュが18日のレンヌ戦で、相手のカメルーン人DFエムビアの執拗なマークに苛立ち、鼻をつまみながらもう一方の手で空気をあおぐ「人種差別的なジェスチャー」をした件で、プロサッカー連盟(LFP)は19日、26日の規律委員会でバロシュに対する処罰の是非を討議すると発表した。

 エムビアは19日夜のラジオ番組(RMC局)に出演した際に、「バロシュにはそういうジェスチャーはすべきでないとその場で言った」と語り、「人種差別」という言葉は用いなかったが、「挑発行為」として処罰されるべきとの考えを明らかにした。一方で、バロシュ個人に対しては「恨みに思っていない」と述べ、寛容な態度を示した。

 「BUT」紙は、バロシュがエムビアに対して送った謝罪の手紙が20日に届いたと報じている。書面の一部は各メディアにも送られ、「君の気分を害するつもりはまったくなかったことを知ってほしい。僕の反応が度を越してしまったことを後悔している。どうか僕の謝罪と友情を受け入れてほしい」などと書かれていたことがわかった。

 レキップ紙によると、この「事件」については、バロシュの母国チェコでも大きく報じられた。チェコの主要紙「Dnes」は「鼻をつまめ。バロシュはにおう」との見出しを掲げ、「ジェスチャーに人種差別的な意図はなかったとするバロシュの言い分はばかげている」と厳しく非難した。別の日刊紙「Blesk」は、「バロシュはかつて王者だった。それがいまや人種差別主義の愚か者、三流の選手になりさがった」とこきおろしている。