画像提供/なら出会いセンター

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 地元の独身者たちに、出会いの場を提供する地方自治体が増えてきている。以前、このファンキー通信でも取り上げた愛知県豊根村を筆頭に、奈良県では2005年4月に県内の独身男女を応援する「なら出会いセンター(なら結婚応援団)」を開設。一体なぜ、こんなにも躍起になっているのだろう??

 「少子化問題への取り組みの一環となるからです。どの都道府県も出生率の低下にはあえいでいますが、特に我が奈良県はワースト3(笑)。その最大の要因は非婚化・晩婚化の進行といわれています。若手未婚層が現在未婚である理由として、『結婚したい相手に巡り会えないから』と挙げる人が、4割以上を占めています。そこで、結婚の意志はあるが、理想の結婚相手に巡り会えないとする独身男女を対象に、出会いの場の提供を始めたわけです」(なら出会いセンター職員 竹田尚起さん)

 「なら出会いセンター」では会員たちに向けて、無料のメールマガジンを配信している。そのメールマガジンにはイベント情報が記載されており、会員たちは自分の都合に合わせて気軽に申し込むことができる。当日のイベントは、県内のホテルやレストランなどで開催されることが多いそう。これらの企業などは奈良県の少子化問題の取り組みに賛同していて、「結婚応援団」という名称で親しまれているのだとか。

 このような努力の甲斐もあってか、先日、「なら出会いセンター」を通じて初の夫婦が誕生した。結婚披露宴には県知事も祝電を送り、幸せな2人にお祝いの言葉を送ったとのこと。何ともめでたい話ではあるが、ここで新たな疑問点が・・・。もしかして、この9ヶ月間でゴールインを果たしたカップルって、1組だけ? なんか、ものすごく少なくない?? せっかく活動が盛んなのだから、結果もそれに伴ったものであって欲しい!

 ということで、誠に余計なお世話ながら、業界No.1の会員数を誇る結婚情報サービス機関「オーネット」の方にアドバイスをお願いしてみた。

 「あえて言うならば、『公的な独身証明書』の提出を義務付けしたほうがいいのではないでしょうか。しかし、出会い・結婚ビジネスは『人』を対象としているので非常に繊細で複雑。あらゆるノウハウを駆使して携わらないと、成果は上がらないと言われています。ですから、9ヶ月間で1組の夫婦を誕生させたのは、充分な実績であると思います」(株式会社オーエムエムジー渉外広報室 篠塚涼子さん)

 う〜ん、どうやら少子化問題の前に立ちはだかる「結婚」という壁は、想像以上に高いものであるらしい。地方自治体の戦いは、まだ始まったばかりなのだ。(安田明洋/verb)

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