“輪郭形成・骨切り術”を受ける前の有村藍里

写真拡大

 今年3月3日、有村架純(26)の姉でタレントの有村藍里(28)が「気になる口元を変えたい」と、あごまわりの骨を切り、動かす、“輪郭形成・骨切り術”という整形をしたことを自らのブログで告白。同日には、人気ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)で、その様子に密着した内容が放送されるなど、テレビでもネット上でも大いに話題になった。

【写真】どれだけ変わった? 整形前・整形後の有村藍里

 4月にはタレントの水沢アリー(28)が『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に出演し、デビュー直前に整形していたこと、整形回数は「把握してないぐらい」などと告白。

 また最近は、YouTuberやSNS美女が整形をカミングアウトする事例も激増している。例えば、現役アイドル・明治は美容整形に総額700万円をかけたと公にし、総額1000万円をかけたというYouTuberの整形アイドル轟ちゃんは「私は“普通の人”になりたかった」という切実な思いを語って共感を呼んだ。

 このような動きを見ると、女性の間では美容整形が「前向きになるための手段」という認識に少しずつ変わってきているようにも思える。

 はたして、整形はオープンにするべきものなのか? また、整形で幸せになる人・ならない人の違いは? 美容整形外科「高須クリニック」高須克弥院長に話を聞いた。

骨切り術のデメリットとは

──有村藍里さんの整形告白には驚きましたね! 骨を切っちゃうなんて!

高須「実はね、この“輪郭形成・骨切り術”って、高須クリニックの昔からのメニューで、業界的にはだいぶ前から行われているものなんだよ」

──そうなんですか! SNSでは「私も骨を切ってみたい!」との声が多く上がり、話題の新しい施術かと思ってました。

高須「昔はボトックス(※編集部注:エラにボトックスを注射すると小顔効果が期待できる)もない時代。だから有村さんみたいな小顔願望のある方には、骨を切る施術をすすめてたんだよ。悪いものじゃないんだけど、外科的要素が多いので医師の技術に左右されるし、ダウンタイムが最低6週間は必要なのがデメリットと言えるかな」

──なるほど。しかし有村さんは鼻から下の印象がとても変わりました。骨切り術は大きなリスクを伴う方法だと思いますが、人気が上がっているようです。

高須「ボトックス以前の施術がまた話題なのかという驚きもあるけど、“骨まで切ったんだから、確実に変わるだろう!”という、身体の負担への見返りというか、期待値もあるかもしれません。でも、個人差はありますが、必ずしも骨切り術をする必要はなく、例えば、あごだけの施術で解決する方もいる。しっかりネットでリサーチし、信頼できるクリニックを探すことも大事だね。かんたんな手術ではないのだから」

──信頼できるクリニック……。ネットで探すと美容整形関連の膨大な情報が出てきますし、いざとなるとクリニック選びに迷ってしまいそうです。これだけクリニックが乱立する中、よいクリニックを探すポイントを教えていただけますか?

高須「まず、施術する担当医の症例対応経験が多いこと。やはり経験は確実に力になりますから。あとは、開院して長い、患者が多い……などかな? カウンセリングで話してみて、自分の気持ちが落ち着くかなどで判断するのもいいね」

告白する・しないは自由だけど…

──新しいクリニックは最新技術だとか、きれいな待合室などで目立ちますが、やはり老舗の力は医療でも大きいんですね! ところで最近はタレントだけでなくYouTuberなど、整形をカミングアウトする若い女の子が増えていますね。

高須「売れないタレントは自分自身をネタにしがちだからね。そのときは一瞬、メディアにたくさん取り上げられるし、オイシイと思うのもわかる。でも、売れっ子美人芸能人は同じ整形をしても、そういう対応はしないかな」

──売れている芸能人の整形とは、どのような感じなのでしょうか?

高須「ベースがきれいな方なら、望むことは“いかに今の売れているルックスをキープできるか”ということ。なので、ボトックスやヒアルロン酸、ウルセラ、フォトフェイシャルなどで、今の顔をキープするためのケアをする方が多いね。ガッツリ直す方は、デビュー前にできるだけ仕上げたい人か、デビューしたもののネタがない人に多い印象です」

──しかし最近は、コンプレックスや整形をオープンにすることで女性たちの共感が集まり、人気につながるようになりました。

高須「“ネガティブ商売”っていう新ジャンルなのかな? でも、やはり公表しない方はしないし、そもそも整形はプライベートなもの! 告白する・しないは自由だけど、後のことまで考えたほうがいいかもね」

整形で幸せになる人、ならない人の違い

──なるほど。ところで中には、整形してきれいになったはずなのに、いつまでもコンプレックスを気にしているような方も見かけますし、整形を繰り返して、1か所直すだけでは満足できなくなる「整形依存」の危険を感じる方もいます。実際、整形に依存してしまうケースは多いものなのでしょうか?

高須「他人から見てキレイかどうかより、自分で思い詰めて、気に病んで、その部分ばかり気にしてしまうという思考回路は、整形に限らず確かにある。でも、そんな数ミリの差を気にしてネガティブに暮らすなんて、もったいないよ! せっかく頑張って整形したなら、それに合うヘアメイクでもして、おしゃれして出かけてほしいなぁ」

──有村さんは整形後、周囲から笑顔が明るくなったと言われているそうですが、整形で幸せになる人、ならない人の違いはなんでしょうか?

高須「結婚と同じ! 今を受け止めるか、アラ探しをするか。“わ〜、エステじゃできないくらいキレイになった!”って思う人もいれば、“でもやっぱりココ、変じゃない?”って、鏡ばかり見て欠点探しする人もいる。でも、結果に満足するためにはクリニック選びこそ大事。しっかり情報を集め、カウンセリングし、納得してから受けるのがいいと思います」

──では、顔のコンプレックスで悩んでいる女性へアドバイスをお願いします!

高須「どうしても気になることがある人は、まずカウンセリングへ! 見た目がきれいになると自信がつき、明るくハツラツとなることも多いからね。あと、超タレ目にするとか、いま流行の顔はやらないこと! 10年後には流行遅れの顔になっちゃうよ! 流行や誰かのまねじゃなく、自分の顔に合った整形をしましょう」

<プロフィール>
高須克弥(たかすかつや):
1945年、愛知県生まれ。高須クリニック院長。医学博士。昭和大学大学院医学研究科博士課程修了。昭和大学医学部客員教授。
脂肪吸引手術など世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。金色有功章、紺綬褒章を受章。『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲』(Kindle版)、『行ったり来たり僕の札束』(小学館)、『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)、『炎上上等』(扶桑社新書)、最新刊は『大炎上』(扶桑社新書)