満潮時の長部田海床路(画像提供:宇土市商工観光課、以下同)

夕焼けに染まる海中を、電柱が沖に向かって延々と――。そんな光景がいま注目を集めている。熊本県宇土(うと)市の「長部田海床路(ながべた・かいしょうろ)」だ。熊本市から天草に向かう途中、有明海を望む海岸沿いに位置する。

このドラマチックな景観を見るために、日本全国はもちろん世界中から観光客がやって来るという。いったいどんなところなのだろう。

CMで一躍注目されるようになった?


干潮時の長部田海床路

Jタウンネット編集部は、宇土市の商工観光課に電話で話を聞いてみた。

「長部田海床路は、干満の差が激しい海で海苔養殖・採貝を営む漁業者のために造られました。1979年(昭和54年)のことです。干潮時は、沖合でとれた海苔や漁獲物を運ぶ軽トラックがずらりと並びます。それ以外の時間帯は小船で作業を行うようです」と担当者。

「テレビCMで一躍観光スポットとして注目されるようになり、観光客がどっと押し寄せるようになりました。インスタ映えする写真を目的に、日没前後に来られる方が多いようですね」

CMとは、10年ほど前から放映されている某大手焼酎メーカーのCMのことらしい。また「千と千尋の神隠し」に出てくるシーンのよう......、という感想をつぶやく人もいるようだ。


夕暮れの長部田海床路

熊本地震と台風によって約20本の電柱が損壊していたが、18年6月、修復も終わり、再び電灯に光りが灯るようになった。

「最近、目立つのは外国人観光客の姿です。それも団体客ではなく、個人客です。少人数のグループが多いのです。皆さん、事前によく調べて来られるようで......」と担当者。インバウンドのパワーはここまで波及しているようだ。

外国人観光客も参考にするのは、宇土市の観光サイト「ゆる〜っと ぶら〜っと うと物語」。この中に、御輿来海岸の干潮・日の入り情報を知らせるコーナーもある。これを参考にされると良いだろう。