日本全国あらゆる地域を飛び回り、数々のいじめを解決してきた現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。そんな阿部さんが今回、自身のメルマガ『伝説の探偵』で取り上げているのは、部活内で起きたいじめに、結果として顧問や学校長までもが加担してしまったという事案です。県教育委員会も隠蔽に躍起になっているというこのいじめの現場で、どんな事が起きているのでしょうか。

有名校女子バスケットボール部いじめ問題と深い隠蔽について その1

はじめに

本件は、まだ解消された事案ではありません。ただ、この事案のように、生徒間のいじめのみならず、顧問の教員、学校長までもが結果的にいじめに加担するという問題が現場では起きています。生徒間だけでもつらいものなのに、そこに教員が加担すれば、被害者のダメージは甚大なものになるでしょうし、さらに学校長も加担してしまうと、もはやその環境から抜け出すことも困難になるはずです。読者の皆様には、ぜひ、この現場を知っていただきたいと思います。

いじめの概要

甚大な被害を受け続けているAさんは、県立高校に通う現在3年生である(女子生徒)。ここは、県立高の中でも、成績上位に入るような学校である、世間ではトップ校は受験などの忙しさもあり、また利発な子が多いのでいじめというイメージはないだろう。

ところが、いじめはどこにでもあるのだ。

Aさんは現在高校3年生になる。いじめは、部活の同級生でキャプテンであったB子を中心としたものであった。無視や仲間はずれ、部活では同じポジションであったAさんへの執拗ないじめ行為には、キャプテンという立場を使ってレギュラーを決めるための練習試合に出させないなどいじめをし続けた。実際、いじめ行為の数はあまりに多い。これについては続編で詳細にレポートしたい。

すでにいじめ自体の認定はされており、この問題は重大事案となっている。ただ、問題はいじめ以外の対応にもあるのだ。

学校加担となったいじめの証拠

部活では慣習として、一度決まったゼッケンは本人が卒業するまで固定の番号となる。つまり、同じゼッケンの選手は存在しないことになるのだ。「0から99」番まで、それぞれが個別の番号を獲得するために、懸命な努力をする。Aさんも妨害を受けつつも懸命に努力して、ゼッケンがついたユニフォームをもらっている。

(モザイク処理しました)

ところが、Aさんが退部していないのにも関わらず、後輩生徒がAさんと同じゼッケンをつけていることが発覚した。Aさんは部活内でのいじめを訴えていて、部活に参加するのが難しくなっていたが、退部しないと顧問などにはしっかり意思表示していた。また、顧問らは退部させるというような通告もしていない。

このユニフォーム事件の内情は、顧問からユニフォームがまだない部員に新たにゼッケン入りのユニフォームを渡すということを学校長に提案し、学校長承認のもと、敢えてAさんがつけていた番号にして作ったのである。

大人たちから見ればユニフォームはただの運動着かもしれない。しかし、部活に懸命であった者からすれば、その番号は学生生活で最も重いものかもしれない。部活の顧問は、管理責任のもと、Aさんの番号も慣習も知っていたはずである。いじめがすでに問題になっていたから、学校長も既存の事実であった。だからこそ、このユニフォームの問題は、Aさんへのいじめに一教員が加担したのみならず、学校長が関与したことで、学校すら加担したことになってしまった。

学校と教育委員会の連携的隠蔽

このユニフォーム事件で、Aさんは、顧問教諭に質問をした。

「なぜ、同じ番号にしたのか?」

それに顧問はこう答えている。

「あなたが確認できる状態ではなかったではないですか!!」

いじめに遭い、様々なものを奪われて、大変な状態であったAさんが勇気を振り絞ってした質問に、まるで、いじめで苦しんでいることが悪のように顧問は捉えていたのである。学校長もこれには大きく関わっているが、自らの責任は認めつつ、顧問教諭がかわいそうだと発言している。

こうした対応のミスは、いじめの被害を拡大し深くしてしまった。学校としては隠したい事実となってしまったのだろう。二次被害の状態になったAさんに顧問教諭はこう吐き捨てている。

「今後は、教育委員会と話すことはあっても、あなたと話すことはない。教育委員会から話していけないと言われている」

教育委員会はすでにいじめ事件として介入を始めていたから、顧問教諭が自らの責任を逃れるために、教育委員会をスケープゴートに使うにしてはあまりにお粗末である。

続編へ

上記まではほんの一部の被害に過ぎない。Aさんは未だにいじめの被害を受けながらも、懸命に学校に通っている。「伝説の探偵」では、このいじめ問題を今後詳細に調査を進め、Aさん救済と真実の追求を行うことに決めた。すでに認定を進めているいじめ行為の数々は証拠保全に入っている。

編集後記

もしも、本日の伝説の探偵を読み、酷いと思った方。これは被害のうちのほんの1つに過ぎません。被害者はもっと酷い仕打ちを受け続けています。そして、この地域、県ではこれが許されている実情があります。

県教育委員会もこのいじめでは、隠蔽に関わり、いじめに蓋をしようと躍起になっています。そして、加害者を保護し、野放しにして、学校教員へは被害者へのフォローを拒ませています。

これについては全て書くと、とんでもない長さになってしまい、事案理解が難しくなってしまうところがあるので、今日はほんの一部、関係者に争いがない事実のみを記しました。

実際のいじめ問題、どこかまともな組織が1つでもあれば、ここまで酷いものにはならないのです。教育委員会の存在意義とはなんでしょう。いじめ問題に関わっていると、1つでもいい、一人でもいいから、まともな判断力、子供を守ることを全ての前提における人物がいたら、そう思います。 (つづく)

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