「日本一給料が高い会社」キーエンスの実態 「年に4回のボーナス」「20代で年収1350万円」
働き方改革が声高に叫ばれるこのご時世、ブラック企業にまつわるニュースが大きなニュースとして取り上げられ、世間の耳目を集めてきた。キャリコネにもブラック企業に関する口コミ投稿は多いが、その一方でホワイト企業として広く認知されている企業に関する口コミも、多数寄せられている。
今回取り上げるのは、工場の生産工程の自動化を図るFA(ファクトリー・オートメーション)用センサを主力に、電子部品の開発・販売を手がけるキーエンスだ。
同社は工場を持たず生産を委託するファブレス企業で、コンサルティング会社としての性質も併せ持つBtoB企業だが、「年収ランキング」「生涯給与ランキング」の常連として知る人も多いだろう。本社は大阪にあり、1985年のアメリカ現地法人設立を皮切りに、現在では45か国200拠点で事業を展開。連結従業員は5670人(2017年3月)となっている。
業利益率が10%もあれば高収益とされる製造業で50%を超える高収益事業モデルで知られ、独特の企業カルチャーが経済系メディアなどで度々取り上げられてきた。(※参照元 キャリコネ キーエンス)
年収1000万超の口コミ投稿者が続々!
今年1月、東洋経済新報社の『会社四季報』の年収データを基にした「年収ランキング」でキーエンスは1861万円で3位に、「生涯給与ランキング」でも7億5631万円で3位にランクインした。
実際に口コミでも「年に4回のボーナスがあり、尚且つ額がでかいのでかなり満足している。高給取りと言われる商社や広告の人に比べても倍近くもらっているので、日本一給料が高い会社は本当だと思う」(代理店営業 20代前半 男性 700万円)などの声があり、年収1000万超えの口コミ投稿者も数多く見受けられた。
一方で仕事はやはりハードなようだ。特に営業職は「平日の日中は営業と、そのアポ取りTELに忙殺される」(ルートセールス 30代前半 男性 1200万円)など、大変そうだ。
ただ平日は忙しい分、休日出勤についてはほとんどないらしく、「働いている分しっかりと給料がもらえるので特に不満はない」(代理店営業 20代前半 男性 800万円)など、オン/オフをしっかり分けて働ける環境に納得して働いているという人がほとんどのようだ。
「残業は21時半までというのが恒常化していて、朝も7時30分までには出社する空気感。午後休みも事実上なく、平日は仕事以外のことはほとんどできない。しかし、休日は年2回の出勤土曜以外は出勤がなく、長期休暇もそれなりにあるため、ライフワークバランスとしては悪くない」(コンサルティング営業 20代前半 男性 1350万円)
「(休日出勤について)基本は無し。管理職になると月1度くらい出勤する人間が多い。本社だともっと多いと思う。有給は3ヶ月に1日かつ事前に日程申告が必要。しかし、長期連休は長く、プライベートの時間の管理は少なくとも休日に限っては非常にやりやすい」(法人営業 30代前半 男性 1600万円)
合理的な経営方針は労働環境にも 「ボーナスなどの評価も明確」
新商品の約7割が「世界初」もしくは「業界初」という"企画開発力"と、顧客に密着した"コンサルティングセールス"が特徴であるキーエンスは、年収だけでなく株価も高い。先月24日には7万2400円と過去最高値を更新。「外国人持株比率」は49%に達するという。
海外からも高い評価を受ける背景にある、最小の設備と人員で最大の生産性を上げるためという合理主義的な経営理念の徹底ぶりは、キーエンスのホームページに公開されている社員行動規範からも伺える。
「会社として接待を禁止している為、交際費を自費で賄うといったこともない。ボーナスなどの評価もある意味KPIが明確になっており、待遇に関しての大きな不満は出にくい」(法人営業 20代後半 男性 900万円)
「役得を無くし給与で報いるという方針のため福利厚生は一般的な大企業と比較すると薄い。家賃補助はあるが2・3割程度で結婚すれば多めに支給される」(技術関連職 20代後半 男性 800万円)
今月1日発表された2017年4〜12月期の連結決算は純利益1523億円。決算期変更で単純比較はできないが、前年の同期間と比べると40%増と大幅な増益となっており、今年もキーエンスの給料は高い水準を維持しそうだ。