1点を争う雨中の攻防を制した沖縄尚学が決勝進出2年ぶり6度目の優勝を決めた沖縄尚学

 力はほぼ互角。5回を終えて沖縄工のヒットが5本なのに対し、沖縄尚学は2本のみ、スコアは1対1の接戦を演じていた。試合が動いたのは終盤以降だった。

6回、沖縄尚学はこのイニング先頭の3番奥原海斗が左中間へ。この一打で沖縄尚学打線に活気がみなぎる。比嘉大智がライトへ打ち上げると奥原が三塁を陥れ、6番高良魁がスクイズを決めて先制した。

2年連続の決勝、そして今度こそ優勝を狙う沖縄工も黙っていない。その裏、金城大輝がセンター前ヒットで出塁。その後2本のヒットで満塁とする。次打者は三振に倒れたが代打で送られた濱川竜志が押し出し死球を得て同点とした。

しかし沖縄尚学は7回、7番の吉里和己のヒットを足掛かりに二死二塁としてトップへ返す。ここで神里航平が期待に応えセンター前へ。二塁から吉里が一気に帰り再び勝ち越した。

それ以降、強い雨に降られながらの攻防が続くが、7回から登板した比嘉大智が沖縄工打線を封じ込み、1点を守りきる好投。苦しみながらも守り勝った沖縄尚学が2年ぶりの決勝進出を決めた。

敗れた沖縄工だが、エース金城大翔(ひろと)を中心にまとまりを見せてくれた。昨年準優勝の先輩とさらなる技術の向上、そして団結力を見せるならば、来春そして夏と主役として夢舞台へたどり着くのは十分可能。素晴らしいゲーム展開を見せた両チームに拍手を送りたい試合だった。

(文=當山 雅通)

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