アラン・プロスト、2017年のF1に物申す 「もっとやるべきことが…」
「私はDRSが好きではありません」
上海モーターショーでルノーが2027ビジョンF1コンセプトを発表した際に、プロストは「私はDRS(ドラッグ・リダクション・システム)が好きではありません」と言い切った。
「観衆だってDRSの介入を歓迎しているひとはあまり多くないかもしれません。2017年は、DRSの影響はもっと小さくなればいいのにと思っています」
また彼は、近年のV6エンジンについても不満を語った。
「エンジンについても改善すべきです。現状パワーが足りないのでもっとパワフルにする必要がありますし、エンジン自体はもっと簡略化してコストダウンを図るべきです」
「一方で、電子制御の部分は残しておくべきだと思いますね。もちろん」
1400ps時代を生き抜いたからこその意見?
いまのF1界で大きめの出力といえば900psほど。ただ、プロストが現役の頃といえば、予選スペックでは1400psのモンスターがいた時代だから、彼がパワー不足に思うのも当たり前なのかもしれない。
「80年代のターボの付いたF1というのは非常に危険なマシンで、接地感がなく、安全という言葉には程遠いモノでしたね。それにドライバーの足首から先は、フロントアクスルより前に出ていたのですから」
「最近、私の古い相棒であるルノーRE40(1983年製)をドライブする機会に恵まれましたが、こんなクルマを当時どうやって操っていたのか不思議に思うほどでした」と彼は笑顔で語った。
近年では、ハイブリッド・システムに興味を抱いているらしいが、「うわべだけのレースは是非とも避けたい」と考えているそうだ。
プロストは現役時代、熾烈な争いを繰り広げたライバル、アイルトン・セナを亡くしている。
「だからといって、F1はかつてのように危険な、野獣に戻るべきではないです」とも付け加えた。