「合否よりも大きなものを、受験を通して私たち親子は受け取ったような気がします」と語る、母親の香奈さん(写真:筆者撮影)今年の4月、首都圏に暮らす大山夏音(仮名)さんは、ぎこちなくブレザーを羽織り、新しい学校の門をくぐった。成長を考えたのだろう。少しオーバーサイズなブレザーが新入生である証しかのように、彼女の肩を優しく包む。「この学校で、私は世界に羽ばたいてみせる」。悔し涙を流した日から2カ月、夏音さ