あの小沢健二が「シークレットライブ」敢行のウラ事情
90年代、若者カルチャーを牽引。「渋谷系の王子様」といわれたオザケンこと小沢健二も、いつの間にか46歳となった。しばらく表立った活動をしてこなかったが、昨年3月、突如『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングのゲストとして16年ぶりにテレビ出演を果たし、世間をあっと言わせたのは記憶に新しい。
そんなオザケンの最新の動向を、4月7日発売の週刊女性が見開き2ページにわたって伝えている。
記事によれば、3月29日の夕方、東京・世田谷文学館において、オザケンのシークレットライブが敢行され、来館中の客たちが騒然となったのだという。
この日のオザケンは18時半頃から約70分間、『天気読み』や『戦場のボーイズライフ』など10曲を熱唱。偶然会場にいた客たちは、なんとも幸運なひと時を堪能することができたようだ。
このライブにたまたま居合わせていた40代の雑誌編集者はいう。
「漫画家の岡崎京子さんの個展が開かれていて、彼女の熱烈なファンの妻と一緒に来館していました。夕方、突然、館内アナウンスがあって、小沢健二さんの演奏会があると。最初、小沢健二さんって誰よって、妻と顔を見合わせたのですが、『え、まさか、あのオザケン?』って、2人で興奮しちゃいました」
世田谷文学館では1月24日から、オザケン同様、90年代に活躍し、エッジのきいた作画でカリスマ的人気を誇った漫画家・岡崎京子の個展『戦場のガールズライフ』が開かれており、日曜日だということもあって、かなりの盛況ぶりだった。それにしても、オザケンほどの大物が、なぜこのような地味な会場で、シークレットライブを行うことになったのか? その理由について、週刊女性は「長年にわたる2人の絆」にあったと説明する。
クリエイター同士、深く結ばれた“心の絆”岡崎は、フリッパーズ・ギター時代からオザケンの大ファンで、オザケンのことを「私の王子様」と常々公言してきたのだという。その後2人はクリエイターとして交流を重ね、互いに大きな影響を与え合う存在となった。しかし、1996年、岡崎は交通事故により半身不随となり、現在も執筆活動は途絶えたままだ。そんな岡崎のために、拠点のアメリカから帰国し、わざわざシークレットライブを行った、ということらしい。
「ここ数年のオザケンは、環境問題や精神世界に傾倒しているとも伝えられています。今回のシークレットライブでも、親とか友情といったものをテーマにした詩を朗読するなど、独自の世界を見せていたようですね」(音楽ライター)
渋谷系の王子様から孤高の詩人へ。中高年に差し掛かったオザケンの今後に注目したい。
(取材・文/小林靖樹)