本田圭佑、新監督のスタイルに充実感「すごく楽しい」…守備の課題も言及

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文=青山知雄

 日本代表FW本田圭佑(ミラン)が、5−1と大勝した3月31日のウズベキスタン代表戦に関して、新スタイルの方向性と充実感を口にしつつ、守備に関してはあえて苦言を呈した。

 前半から縦へ素早く攻める攻撃を見せて敵陣に攻め込んだ日本代表。本田は「あのスピードで正確さを求めていくんですよ。正確さを求めるがゆえにスピードを落とすことではなく、最高のスピードを求めていく。それはすごく必要だと感じているし、やっていてすごく楽しい。攻撃面は今日の5得点が一つの評価だと思う」と始動からの10日間を振り返った。

 球際の激しさと攻守の鋭い切り替え、そして素早くゴールを狙うサッカーを志向するヴァイッド・ハリルホジッチ監督の薫陶を受けたのだろう。「インテンシティーの中でテクニックにこだわってプレーすれば、選手全員にかなり向上の余地があるんじゃないかなと思っている。日頃からあれだけのインテンシティーで質にこだわるかどうかの連動だと思うんです」と自分を含めた選手たちの意識改革を呼びかける。そして「このサッカーだと何が必要なのかは自分の中では明確なので、その大変さを感じつつも、トライしていく楽しみは新鮮な気持ちでいっぱいですよね。ミランがもしこんな勝ち方をしたら、どんなに喜ぶのかなって想像した」と指揮官が目指すサッカースタイルの可能性を笑顔で語った。

 ただ、「今日は僕からあまりポジティブなことは必要ないのかな」と前置きした上で「監督がやろうとしてることを出せた部分、まだまだ質が足りない部分を個人としてもチームとしても感じました」と言及。3点目を決めた直後に失点を喫したことに関して、「あの時間に失点するということは、大事な試合でも失点してしまうと思う」と守備面の課題について触れることは忘れなかった。

 6月上旬にはロシアに向けたワールドカップ予選がスタートする。ハリルホジッチ監督からは選手個々に強化メニューが渡されているという。指揮官が求め続ける『インテンシティーの強さ=球際の激しさ』に関しては、「口で言うのは簡単ですけど、しっかりと日々ハードワークすることは難しい。代表に集まった時だけでなくクラブに戻っても忘れず、挑戦していきたい」と意欲を見せる。予選スタートまで約2カ月あまり。ユニフォームをジャパンブルーからロッソネロに着替え、本田がアグレッシブに牙を研ぎ続ける。