モバイル向けOS「Ubuntu Touch」やオールインスマートフォン「Ubuntu Edge」などが発表されながらも、なかなかリリースされなかったUbuntuベースのスマートフォンが2015年2月にようやくリリースされることが明らかになりました。

BQ’s new Aquaris E4.5 Ubuntu Edition - the smartphone that puts content and services at your fingertips | Ubuntu Insights

https://insights.ubuntu.com/2015/02/06/bqs-new-aquaris-e4-5-ubuntu-edition-the-smartphone-that-puts-content-and-services-at-your-fingertips/

Ubuntuベースのスマートフォン「Aquaris E4.5 Ubuntu Edition」はスペインのbqというスマートフォン開発企業から発売されます。SIMロックフリー端末とキャリア端末が発売予定で、SIMフリー版の販売価格は169.90ユーロ(約2万3000円)。スマートフォンとしてはローエンドではなくハイエンドでもないミドルレンジの端末といった感じです。



Aquaris E4.5 Ubuntu Editionのディスプレイサイズは4.5インチで、CPUは1.3GHzのクアッドコア。RAMが1GB・ROMが8GBとなっていて、背面に800万画素のカメラ、前面に500万画素のカメラを搭載しています。



UIにはUbuntuの潜在能力を最大限引き出せるという「Scopes」を採用。Scopesはモバイル向けに開発されたUIで、音楽・ムービー・ニュースなどカテゴリ別のホーム画面で構成されています。ホーム画面からアプリやサービスへのアクセシビリティが向上し、ユーザーは既存のモノよりも便利性の高いUIを体験できるとのこと。また、アプリ開発者は従来かかっていた開発費用をかなり抑えることができるそうです。



Ubuntuの開発元であるCanonicalは2012年のMobile World Congress(MWC)で「Ubuntu Phone OS」を開発していることを明らかにし、本格的にスマートフォン市場への参入を表明しました。翌年のMWCではスマートフォンとタブレット端末向けのOS「Ubuntu Touch」を発表し、同年7月にはスマートフォンとデスクトップコンピュータを合体させた「Ubuntu Edge」の開発プロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングサービスIndiegogoで3200万ドル(当時のレートで約30億円)の開発資金を募りましたが、出資が目標額を達成できずプロジェクトは頓挫しました。

Ubuntu Edgeはマルチコアプロセッサ搭載、UbuntuとAndroidのデュアルOSを採用しハイエンド機としてリリースされる予定でしたが、2015年2月に発売予定のAquaris E4.5 Ubuntu Editionはミドルレンジ端末となっており、Canonicalは大きく方向転換したようです。



Aquaris E4.5 Ubuntu Editionはヨーロッパで発売される予定で、ヨーロッパで売れ行きが好調であれば、日本に上陸する可能性があり、今後に期待したいところです。