「究極の没入型ゲーム」としてKickstarterにて出資を募っていたゲーム機器開発プロジェクトが「Blood Sport」で、ゲーム内でキャラクターが血を流すと現実世界のプレイヤーは腕から血を抜かれる、というどこかで聞いたことがあるような装置を開発しようというプロジェクトでしたが、諸々の事情により中止になってしまいました。

Blood Sport: The Ultimate in Immersive Gaming (Suspended) by Brand & Grotesque - Kickstarter

https://www.kickstarter.com/projects/1246820613/blood-sport-the-ultimate-in-immersive-gaming



Blood Sport

http://www.bloodsportgaming.org/



Blood Sportがどんな装置なのかは以下の公式ムービーを見るとよくわかります。

Blood Sport: The Ultimate in Immersive Gaming - YouTube

シューティングゲームなどではブシャーっとキャラクターが血を流します。



そんなゲーム内の緊張感を、現実世界のプレイヤーにも味わってもらおう、というのがBlood Sportです。



Blood Sportを使って遊ぶには、まずは針を用意して……



ブスリとプレイヤーに挿します。



そしてゲームをプレイする際に使用するコントローラーをパカリ



コントローラー側に振動信号を伝える端子に、Blood Sportの端子を取り付けます。



あとは普通にプレイするだけでOK。



ゲーム中でダメージを受けたりしてコントローラーが振動する際に……



Blood Sportの本体であるArduino基板が反応して……



プレイヤーから血が抜かれる、というわけ。



自分の血がかけられているわけなので、プレイヤーはいつもより必死になってゲームをプレイします。



Blood Sportがプレイヤーから血を抜く量は、プレイヤーの年齢・体重・病状などを入力することで自動的に調整され、さらに専門家の監督の下でゲームをプレイすることになるので、安心してゲームに没頭できるというわけ。もちろんこれらの装置は医療専門家と共に注意深くテストが行われています。



それでもプレイヤーはどんどん抜かれていく自分の血が気になる模様。



Blood Sportはチャリティ目的で立案されたプロジェクトではなく、ゲーマーが大好きなゲームをプレイしながらも世界で起きている問題に目を向けられるように、という目標のもとでスタートしたプロジェクトです。



そもそもBlood Sportでは出資者に専用機器を配送するわけではなく、プロジェクトの出資者はBlood Sportを使ったゲーム大会への参加資格が得られるというもので、プロジェクトではカナダ中の病院にBlood Sportを配置することを目指しており、ゲーム中に抜かれた血は病院に献血される予定でした。

しかし、現在Kickstarter上でのプロジェクトは「Suspended(中止)」となっています。



コメント欄には「現在プロジェクトが中止状態にされてしまった原因を究明中で、これは抜かれた血液を病院に寄付することで解決できるだろう」というプロジェクトの発案者によるコメントが掲載されています。



ただし、公式Facebookページは消滅してしまっています。



海外メディアでもBlood Sportが取りあげられていましたが、プロジェクト中止後にKickstarterやプロジェクトの発案者からコメントは得られていない様子。

Gaming system that draws real blood suspended by Kickstarter - CNET



Polygonのコメント欄では、「嫌嫌嫌、まったくありえない」「献血カーで献血するよ」「最初に頭に浮かんだのはSAWのビリー人形」「ムービーを見ただけで貧血になったよ」といった否定的なコメントばかりでした。

Bizarre gaming peripheral seeks $250K from Kickstarter to bleed you out in real life | Polygon



擬似デスゲーム遊びができそうなBlood Sportでしたが、プロジェクトの目標出資額は25万カナダドル(約2600万円)で、プロジェクト中止時点では3390カナダドル(約35万円)しか集まっていませんでした。