おひとり女子のお金の向き合い方

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 一生シングルかも…という思いを抱くおひとり女子の悩みの1つはお金だ。今や、国や会社を頼ろうなんて思える時代ではない。できるだけ自分で資産を築き、長い人生を乗り切っていかなければならなくなっている。そのためにも、貯金は必要不可欠なものとなる。

 『「おひとり」を不安0で生き抜く女子貯金』(横山光昭/著、祥伝社/刊)では「マンションは買ったほうがいいのか」「貯金はいくらあったらよいのか」「保険は入ったほうがよいのか」など基本的な知識から、貯金体質になるためのコツなど、安心して幸せなシングルライフを送れるための「お金」の話を分かりやすく解説する。

 おひとり女子に多いタイプは3つに分けることができる。

・何もかもがとにかく不安な「心配性」タイプ
・漠然とした不安はあるものの、とりあえず目をつぶる「問題先送り」タイプ
・何も考えていない「楽天家」タイプ

 圧倒的に多いのは2の「問題先送り」タイプだが、1の「心配性」タイプも増えている。ファイナンシャルプランナーで本書の著者である横山氏は1の「心配性」タイプが特に問題だという。2や3も問題ではあるが、このタイプの人たちは基本的に前向きなので、問題解決のために取り組むべきことが見出せれば、うまくやっていけるもの。これに対し、1のタイプは何をやっても不安を払拭できず、極端な節約に走ったり、将来に対して絶望したりと、後ろ向きになってしまうケースが多いそうだ。
 結局のところ「人生は楽しんだもの勝ち」だ。お金は人生を楽しむための1つのツールに過ぎない。そのツールに縛られるのではなく、上手に利用するべきなのだ。

 おひとり女子はファミリーに比べるとライフイベントが極端に少ない分、貯金へのモチベーションが上がりづらいという問題がある。結婚をすると、否応なしにライフイベントが次々発生する。
 特に多いのが子ども絡みのイベント。「出産費用と赤ちゃんを迎える準備のためにお金を貯めよう」「もうすぐ子どもが幼稚園に入るから、入園料が必要だ」などと、目先に向かってお金を貯めようと自然に思える。しかし、おひとり女子にはそのような目先のライフイベントが、ごっそりと抜けている。子どもの養育費・教育費という人生の中でも最大級に大きな出費が発生しなければ、その分、資金的には余裕があるはずだが、お金を貯めることへのモチベーションが上がりづらいために、切羽詰まるということがない。そのために、どうしても貯金習慣がつきづらくなってしまうのだ。

 結婚費用や養育費に頭を悩ますこともないので、貯金はしやすいと考えられるが、決してそうとは限らない。本書では、おひとり女子の貯金のための貯金習慣のつけ方、ネットバンクの使い方、投資などについても紹介している。

 お金のことに目を背け続けていると、老後にしわ寄せが来て、つらい思いをするのは自分だ。将来に悲観的になるのは精神上よくないが、自分のためにお金について今から考えておくべきこと、できることはやっておくべきだろう。
(新刊JP編集部)