相続税増税まで2ヶ月 資産1億円以上には○○○○○が有効?
2015年1月1日に相続税の改正が施行され、増税となることはニュースなどを通してすでに知っている人も多いだろう。今回の改正の大きな特徴の一つは、基礎控除額が減り、課税対象者は増えるということ。しかし、それだけではない。最高税率が引き上げられ、資産家などをはじめとする富裕層の負担が増えるということも大きな特徴だ。
では、どのような対策を講じるべきなのか。
マンション購入のセカンドオピニオンサイトを運営する沖有人氏は『マンション購入で実現する究極の相続税対策』(幻冬舎/刊)で、相続税対策のひとつの手法としてのマンション購入を提案する。
■マンション購入による相続税対策の効果は?
どうしてマンションが相続税対策としていいのか? 沖氏は特に資産1億円を超えてくると、生前贈与などだけでは十分な相続税対策が難しくなるため、それらを活用しつつも、金融資産でマンションを購入するなどの方策が必要だと述べる。
つまり、相続税の負担を減らしながら、資産を最適な形に組み替えていくのだ。
沖氏によれば、相続税の計算上、現金で持っていたら額面通り100%で評価されるところが、マンションに形を変えることで約20%まで評価を減らすことも可能なのだそうだ。例えば1億円の現金をマンションに替えることで、相続税評価額は4000万円程度に下がり、さらに人に貸して賃貸不動産とすれば、土地・建物のさらなる評価減が得られ、評価額は2000万円程度となる計算だ。
この8割という評価減割合は、沖氏が調べた首都圏の分譲マンションの平均値(79%減)だという。
■ワンルームマンションはNG?
マンション購入による相続税節税は、節税というゲタを履いていてリスク許容度が高いとはいえ、値下がりするような物件は買うべきではないと沖氏。
その“買うべきではないNG物件”としてあげているのがワンルームマンション(一戸単位の区分所有物件)だ。特に新築ワンルームマンションの場合、購入直後に価格が2割程度落ち、その後も毎年3%程度売却価格が落ちていくことを覚悟しなければならないと言う。また、一度空くとなかなか次の借り手が見つからず、建物や設備の補修費用もかさむという点もマイナスポイントだ。
■資産規模に応じたマンション購入を考えておくべし
上記のように、金融資産をマンションに変えることで、評価額を約20%まで減らすことができる。この場合、マンションは手持ちの金融資産で購入するのが原則だ。「ローン特約」などがいらないので買主として有利になるからだ。また、ローンがあると、購入したマンションの単年度収支が金利分だけマイナスになるリスクを考えざるを得ない。
ローンを組むことには一定のリスクが伴う。しかし、沖氏は、資産が3億円超ある人はそれでもローンを利用するメリットがあると指摘する。資産額が多いほど、何の対策も取らない状態で相続が発生した場合の適用税率が高くなり相続人の税負担が重くなるが、逆に考えれば、相続税対策をした場合には適用税率が高い方が大きな効果を得られると言える。資産額が大きい人は、マンション購入に低金利でのローンを組み合わせ、相続税をゼロにすることも可能だという。
さらに本書では、資産の多くが土地である場合や、数十億円の資産がある場合、複数物件を購入してポートフォリオを組むケース、法人を活用した資産移転の方法など、単なるマンション購入指南にとどまらず、個別の相続の事情に応じた方法と注意点が紹介されている。
本書は、いよいよ間近に迫ってきた2015年1月1日に向けて、相続税増税の要点を再確認してくれる内容となっているとともに、資産1億円以上の人に向けて、節税と収益を実現する方法を教えてくれる。
考えるべきことが多い相続税対策だが、面倒くさがらずに一度見直してみるのもいいのかもしれない。
(新刊JP編集部)
では、どのような対策を講じるべきなのか。
マンション購入のセカンドオピニオンサイトを運営する沖有人氏は『マンション購入で実現する究極の相続税対策』(幻冬舎/刊)で、相続税対策のひとつの手法としてのマンション購入を提案する。
どうしてマンションが相続税対策としていいのか? 沖氏は特に資産1億円を超えてくると、生前贈与などだけでは十分な相続税対策が難しくなるため、それらを活用しつつも、金融資産でマンションを購入するなどの方策が必要だと述べる。
つまり、相続税の負担を減らしながら、資産を最適な形に組み替えていくのだ。
沖氏によれば、相続税の計算上、現金で持っていたら額面通り100%で評価されるところが、マンションに形を変えることで約20%まで評価を減らすことも可能なのだそうだ。例えば1億円の現金をマンションに替えることで、相続税評価額は4000万円程度に下がり、さらに人に貸して賃貸不動産とすれば、土地・建物のさらなる評価減が得られ、評価額は2000万円程度となる計算だ。
この8割という評価減割合は、沖氏が調べた首都圏の分譲マンションの平均値(79%減)だという。
■ワンルームマンションはNG?
マンション購入による相続税節税は、節税というゲタを履いていてリスク許容度が高いとはいえ、値下がりするような物件は買うべきではないと沖氏。
その“買うべきではないNG物件”としてあげているのがワンルームマンション(一戸単位の区分所有物件)だ。特に新築ワンルームマンションの場合、購入直後に価格が2割程度落ち、その後も毎年3%程度売却価格が落ちていくことを覚悟しなければならないと言う。また、一度空くとなかなか次の借り手が見つからず、建物や設備の補修費用もかさむという点もマイナスポイントだ。
■資産規模に応じたマンション購入を考えておくべし
上記のように、金融資産をマンションに変えることで、評価額を約20%まで減らすことができる。この場合、マンションは手持ちの金融資産で購入するのが原則だ。「ローン特約」などがいらないので買主として有利になるからだ。また、ローンがあると、購入したマンションの単年度収支が金利分だけマイナスになるリスクを考えざるを得ない。
ローンを組むことには一定のリスクが伴う。しかし、沖氏は、資産が3億円超ある人はそれでもローンを利用するメリットがあると指摘する。資産額が多いほど、何の対策も取らない状態で相続が発生した場合の適用税率が高くなり相続人の税負担が重くなるが、逆に考えれば、相続税対策をした場合には適用税率が高い方が大きな効果を得られると言える。資産額が大きい人は、マンション購入に低金利でのローンを組み合わせ、相続税をゼロにすることも可能だという。
さらに本書では、資産の多くが土地である場合や、数十億円の資産がある場合、複数物件を購入してポートフォリオを組むケース、法人を活用した資産移転の方法など、単なるマンション購入指南にとどまらず、個別の相続の事情に応じた方法と注意点が紹介されている。
本書は、いよいよ間近に迫ってきた2015年1月1日に向けて、相続税増税の要点を再確認してくれる内容となっているとともに、資産1億円以上の人に向けて、節税と収益を実現する方法を教えてくれる。
考えるべきことが多い相続税対策だが、面倒くさがらずに一度見直してみるのもいいのかもしれない。
(新刊JP編集部)