イングランドを牛耳る外国人富豪オーナーはこんな人たち
1位 アリシェル・ウスマノフ（アーセナル）186億ドル
2位 ラクシュミー・ミッタル（クイーンズ・パーク・レンジャーズ）167億ドル
3位 ロマン・アブラモヴィッチ（チェルシー）91億ドル
7位 スタン・クロエンケ（アーセナル）56億ドル
9位 マルコム・グレイザー＆ファミリー（マンチェスター・U）41億ドル
10位 シャヒド・カーン（フルアム）41億ドル
■中東の大富豪からの投資
アブダビ・ユナイテッド・グループ（ADUG）のオーナーは、アブダビのロイヤルファミリーであるマンスール・ビン・ザイド・ナハヤンUAE副首相で、保有資産額は100兆円以上です。すなわち、アーセナルのオーナーであるウスマノフの保有資産186億ドルを2桁も上回る大富豪です。2008年9月1日、ADUGが、マンチェスター・Cの前オーナーであるタクシン・チナワット氏（タイ元首相）からオーナー権を獲得しました。買収金額は2億ポンド（約400億円）でした。オーナーはマンスール・ビン・ザイド・ナハヤンUAE副首相ですが、代表者はスライマン・アルファヒムというADUGの設立に関わった人物で、投資の実務を担当しています。スライマン・アルファヒムは、米国・ワシントンのアメリカン大学で、不動産学で博士号、経営学でMBAを取得した不動産会社の最高責任者です。ADUGによる買収後、マンチェスター・Cは、2011−12シーズンおよび2013−14シーズンの2回、プレミアリーグでの優勝を果たしました。
■ラクシュミー・ミッタル（クイーンズ・パーク・レンジャーズ）
ミッタル・スチールは、オランダ・ロッテルダムに本社を置く、世界最大の鉄鋼メーカーで、鉄鋼生産量は世界一。売上高は同社が買収したルクセンブルクのアルセロールについで世界二位。インドの実業家ミッタルが1989年に創業し、その後世界の鉄鋼メーカーを次々と買収することによって世界最大の鉄鋼メーカーとなりました。このミッタル・スチールCEOであるミッタルは、クイーンズ・パーク・レンジャーズのオーナーです。ミッタルは、インド人の中では最大の資産家です。娘の結婚式には日本円にして75億円相当を費やしヴェルサイユ宮殿を借りて行ったというエピソードの持ち主でもあります。
■ロマン・アブラモヴィッチ（チェルシー）
チェルシーのオーナーであるアブラモヴィッチは1966年10月24日生まれのロシア人。孤児として育ったのですが、1992年から商売を始め、特に石油取引業で手腕を振るい巨万の富を得ました。ボリス・ベレゾフスキー（2013年、イギリスで死去）が設立した石油企業シブネフチや自動車販売を中心とする複合企業ロゴヴァスの管理を任せられ、巨額の富を得ました。2001年5月、シブネフチの重役が関与した汚職事件に関連して、アブラモヴィッチは検察当局から取り調べを受けました。ベレゾフスキーに対しプーチン政権は対立姿勢を見せ始め、ベレゾフスキーは国外に逃亡。一方、アブラモヴィッチはウラジーミル・プーチン政権に対して沈黙を守りました。2003年7月にイングランドのサッカークラブのチェルシーを買収。約160億円ともいわれる負債を返済し、ポケットマネーで次々と有力選手を獲得しました。それまで一般には無名であったロシアの集寡頭資本家（オリガルヒ）が、一夜にして世界中から注目を集めました。2008年8月リーマンショック後の金融危機ではアブラモヴィッチは203億ドルを失ったと言われています。フォーブスの億万長者ランキングでは2008年度は15位で、保有資産187億ドルでしたが、最新の保有資産は91億ドルと約50％下げています。
（記事／ZUU online）
