河南省洛陽市に住む12歳のL君は最近になり、「おしっこに血が混じる」と両親に訴えた。両親が確認したところ、たしかにそうだった。病院に連れて行き診断を受けさせると、膀胱内に細長い金属が存在することが分かった。母親は思い出した。L君が5歳の時、縫物をしていて針1本が見当たらなくなった。L君に尋ねたところ「お腹の中に入れちゃった」と答えた。L君を診察した医師は、好奇心などに駆られて、尿道に針などを押しこんでしまう幼児は多いとして、保護者に注意を促した。人民日報系のニュースサイト、人民網が報じた。(写真は人民網の16日付報道の画面キャプチャ)

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 河南省洛陽市に住む12歳のL君は最近になり、「おしっこに血が混じる」と両親に訴えた。両親が確認したところ、たしかにそうだった。

 病院に連れて行き診断を受けさせると、膀胱内に細長い金属が存在することが分かった。母親は思い出した。L君が5歳の時、縫物をしていて針1本が見当たらなくなった。L君に尋ねたところ「お腹の中に入れちゃった」と答えた。L君を診察した医師は、好奇心などに駆られて、尿道に針などを押しこんでしまう幼児は多いとして、保護者に注意を促した。人民日報系のニュースサイト、人民網が報じた。

 母親が家族のために繕い物をする。日本ではあまり見かけなくなってしまった光景かもしれないが、そう裕福とは言えない中国の家庭では、まだ普通に見かける。家族思いの母親。その母親のそばで遊ぶ幼い子。幸せな家庭が、親のちょっとした不注意で、大変なことになる場合もある。

 L君が5歳の時。今から7年前だ。母親は縫物をしていて、針1本が見当たらなくなった。L君に尋ねたところ「お腹の中に入れちゃった」と答えた。L君の様子に異常はなかった。母親としては「まさか」と思うだろう。探してみたが針は見つからない。「どこかに、まぎれたのだろう」程度に思い、そのままにしておいた。

 その後もL君に異常はなかったが、最近になり「おしっこに血が混じる」と言い出した。両親は確認した。確かに血尿だ。悪い病気かもと思い、L君を病院に連れて行き、診察を求めた。

 レントゲンには、L君の下腹部内部に「細い線」がくっきりと写っていた。画像から、金属に間違いないと思われた。膀胱内部だ。医師が改めて、思い当たることはないかとL君の両親に尋ねた。母親は息をのんだ。5年前の「針をお腹の中にいれちゃった」であることに、間違いなかった。

 針が膀胱内にとどまった時間が極めて長かったため、針本体が結石に覆われていることが分かった。医師は、L君の体を傷つけないよう、針を取り出すのに全神経を注いだ。器具を何度も交換しながら、2時間かかって針を取り出すのに成功した。うまくいった。L君は次の日には、入院した病院の廊下を歩くことができた。もう血尿はでなかった。

 L君を診察した医師は「以前にも同様の例がありました」と説明した。5歳の男児で、L君と同様に針を尿道に押し込んだ。この例では、すぐにひどい症状が出たので両親がただちに診察を求めたという。

 同医師は、「私の長年の経験から、尿道に異物を押し入れてしまう子どもは多い。男児だけでなく、女児のケースもあります。年齢は3歳から10歳ぐらいですね」と説明。さらに、「親御さんは注意していただきたい。まずは、自分の子を、しっかりと世話していただきたい。それから、自分の手からいったん離れた針は危険物です。それから、お子さんをしっかりと教育して、(自分の体に対する危険な)好奇心を打ち消すようにしていただきたい」と述べた上で、「状況を悪化させないためにも、お子さんに異常があれば、ただちに病院で診察を受けていただきたい」と、注意を促した。(編集担当:如月隼人)(写真は人民網の16日付報道の画面キャプチャ)