マーク・ニューソンはアップルに何をもたらすのか
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デザイン界に衝撃をもたらすニュースが届いた。アップルはいま、世界的に著名で、かつ影響力をもった2人のデザイナーを抱え、プロダクト開発に取り組んでいる。ファッション、ライフスタイルに取り組もうとする同社の方針にとって、適切な才能が投入されるというわけだ。
マーク・ニューソンと、ジョナサン・アイヴ。この組み合わせは決してまったく新しいものではない。家具デザインで広く知られるマーク・ニューソンは、クルマやカメラ、腕時計も手がけている。彼は、何年にもわたり、アップルの“デザイン・マスター”ジョナサン・アイヴと旧知の仲である。最近では、サザビーズのチャリティオークションのために、2,600ポンドのアルミニウムのデスクと、限定版ライカの、まったく新しいデザインを一緒につくりあげた。U2のボノとともに手がけた小さなクルマも同様だ。
『Vanity Fair』によると、アイヴはこう言っている。
「マークは同世代においては疑いようもなく、もっとも影響力のあるデザイナーのひとりだ。彼は非常に才長けたデザイナーだ。ぼくらはかつてよりもっと緊密にともに仕事をできることに、とても興奮している。パートナーシップをより効果的にする方法を探ってきた」
マーク・ニューソンは自分の名前で仕事を勝ち得てきた著名デザイナーであり、これまでにもフォードやペンタックス、ナイキやカンタス航空などさまざまな企業と仕事をしてきた。彼の手がけた家具に特有の「有機的造形な」カーヴは、彼を代表するスタイルだし、数十万ドルで売買されている(ちなみにアイヴはニューソンが手がけた椅子を愛用していると伝えられている)。彼の作品の多くはMoMAの永久所蔵品に選ばれ、2005年には『TIME』誌の「もっとも影響力のある100人」にも選ばれている。
では、アップルは彼に何を求めているのだろうか。単純に考えれば、アイヴの会社における役割を拡張するものだろう。いま彼は、ソフトウェア開発に関わっているため、ニューソンが参加することで、ハードウェア部門における負担を減らすことになるだろう。
しかし、ニューソンがアイヴにとっての“第2ヴァイオリン”となって、iPhone7、8、9と骨を折ってデザインする姿は想像しにくい。おそらくニューソンは、強力なコンサルタントとして、アップルが真のライフスタイルブランドへと移行するのを助ける役割を果たすのではないか。実際、Vanity Fairの報告によると、アップル製品のうち2つはすでにコラボレーションを果たしているようで、それには9月9日に発表されるであろうウェアラブル・デヴァイスも含まれている。
ニューソンはすでに自身の腕時計会社、アイクポッドのためのいくつかの腕時計をデザインしている。彼のポートフォリオをみると、アップルにとってのニューソンの価値はより明確に見えてくる。アイヴは比較的狭いセグメントにおいて自身の名前をなしているが、ニューソンはすべてにおけるデザインを経験してきた。
ニューソンは引き続き英国に拠点をおき自身のデザインワークを行うと伝えられているが、定期的にクパティーノを訪れることになるのだろう。昨年ニューソンは『WIRED』に対して「電話でコミュニケーションして口頭だけでデザインするのも、決して難しいことではない」と、アイヴとのチャリティオークションでのコラボレーションの際に語っている。「わたしたちはともに、20年以上仕事をしてきていて、お互いの言語で完璧にコミュニケーションをとれるのだ」。
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