「セードルフは残る。彼が仕事を始めたのは２カ月前だ。現状の責任はない」

ミランのシルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長は、パルマ戦で敗れた後にこう話したと伝えられている。セードルフ監督の立場を確かとする発言だ。史上最悪の時期の一つにあるミランだが、その責任のすべてを指揮官に負わせることはできないというものである。

一方で、良い意味でも悪い意味でも、セードルフ監督がこの２カ月で自らの足跡を残したことも事実だ。選択の問題である。それにより、外れていた選手たちは再び活気を取り戻すかもしれない。だが同時に、複雑なチーム内を分かつことにもなり得る。

フォーメーションの変更や個人的な関係がある。確かなのは、セードルフ監督の就任が、ウルビー・エマヌエルソンやアンドレア・ポーリといった選手たちの恩恵になったということだ。

前者は左サイドのレギュラーとなっている。セードルフ監督が彼を起用しなかったのは、負傷していたボローニャ戦だけだ。ポーリも似たような状況で、２列目で信頼を置かれ、継続的に起用されている。チーム全体としては危機にあるミランだが、ポーリはその中でベストの一人となってきた。

アデル・ターラブは２列目の一角として自由に動き、ナポリ戦とサンプドリア戦でゴールを挙げた。中盤では、セードルフ監督はマイケル・エッシェンを特に欧州の舞台で信頼している。その結果は、アトレティコ・マドリーとのファーストレグでは抜け目ないパフォーマンスを見せ、セカンドレグではワーストプレーヤーの一人というものだった。ターラブ、エッシェンの次はアディル・ラミだ。守備の中心である。１月の新戦力たちは出場機会を手にし、信頼を得ている。１月に強く求められた選手たちだからだ。

そして誰よりも上にいるのが、「スーパープロフェッショナル」のカカーである。マッシミリアーノ・アッレグリ前監督の下でも重要だった彼は、セードルフ監督のプレーにおいても欠かせない存在となっている。

メダルの裏側を見ると、不満、落胆、忘れられた主役たちがいる。そこに含まれるのが、自らのカードでうまく戦えなかった選手たちだ。本田圭佑とリッカルド・サポナーラである。彼らはミランに欠けているファンタジーあるタッチを見せるはずだったが、２人とも消えており、あまり反応がない。そして、ベンチに座ることとなった。

そのベンチには、ロビーニョも座っている。アッレグリ前監督のお気に入りの一人だった選手だ。前任者は何とかしてロビーニョを生かそうとしてきたが、セードルフ監督の下で同選手は常に落胆させている。

イタリア代表の２選手もレーダーから消えてしまった。ワールドカップに向けて、チェーザレ・プランデッリ監督にとって朗報でないことは確かだ。

リッカルド・モントリーヴォは嵐にあるミランを掌握し、プレーに秩序と展開力を持たせることができていない。ケガもあって、マッティア・デ・シリオも出場機会が減っている。

その出場機会が欲しいのは、ジャンパオロ・パッツィーニも同じだろう。ずっとマリオ・バロテッリにポジションを閉ざされている。アトレティコ戦後の批判の中でも、バロテッリがスタメンだったのに対し、パッツィーニは１時間以上プレーを見ているだけとなった。彼がそれを良く思っているとは考えにくいだろう。