元ミラン監督のアッリーゴ・サッキ氏が、16日のパルマ戦でサポーターが本拠地サン・シーロで抗議活動を行ったことについて苦言を呈した。『Radio Anch'Io Sport』で、サッキ氏は次のように話している。

「クラブ、(アドリアーノ・)ガッリアーニ、選手たちに対する感謝を欠いている。過去25年で最も勝利を収め、サッカー界においてイタリアの名前を高く掲げてくれたクラブのすべてよりも、暴力が勝ってしまった」

「分からないのは、成功の25年を経て、どうしてサポーターはクラブやガッリアーニに抗議する権利があると感じられるのかということだ。ガッリアーニは(シルヴィオ・)ベルルスコーニとともに、この道のりの主役だった」

「チームを脅すなど、最悪のことだ。ガッリアーニは最も素晴らしいディレクターの一人であり、圧倒的な主役だ。クラブにとってプラスの価値だよ。もっと落ち着いた環境になってほしい。敗北を受け入れられるようでなければいけない。間違えたり、ほかがより優れているという時期はある」

サッキ氏が提示するレシピは、彼が率いていた輝くミランの特長と同じだ。つまり、プレーそのものにある。

「プレーをすべての中心にしなければいけない。そして、そのために最も適した選手たちを手にしなければいけない。まずは機能性であり、タレントはその次だ。イタリアではいつも、サッカーは足技がうまい選手たちのものだと考えられるが、実際はアタマなんだよ」

「ミランはそういう基準に基づいてきた。そして選手たちのクオリティーを伸ばしてきたんだ。私がミランに加わったとき、(マルコ・)ファン・バステンと(ルート・)グーリットはまだバロンドールを受賞していなかった。クラブはプレーに対する明確なアイディアからスタートしなければいけない」

クラレンス・セードルフ監督も嵐に包まれている。

「彼の任務は難しいものだ。自分が選んだのではない選手たちがいる。サポーターは大きな我慢が必要だよ。クラブはそれにふさわしいはずだ。下部組織の若手に投資をしており、フィリッポ・ガッリはとてもよくやっている。さらに投資をしなければいけない。バルセロナとレアル・マドリーは年間4000万ユーロ(約56億7000万円)を投じているんだ。ミランは1000万ユーロ(約14億2000万円)にも達していないんじゃないかな」

ガッリアーニ代表取締役以外に抗議の対象となっているのが、FWマリオ・バロテッリだ。

「彼がタレントなのは確かだ。だが、だからこといって何でもいいということではない。残留? そうだね。ただ、テクニカルなプロジェクトに機能する場合だけだ。マリオには非常にポジティブな環境と、自分を助けるプレーを見つけることが必要なんだよ。

「タレントだからといって、クラブの問題を一人で解決できると思ったら、大きな間違いだ。おそらく、バロテッリはまだ成長しなければいけないのだろう。技術的には素晴らしい才能を持っているが、それだけでは足りないんだ。インテル時代から技術的クオリティーにはすでに驚かされていたよ」