ミランに嵐が吹き荒れる中、シルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長は『ANSA』で、「セードルフは議論にかけられていない」と語った。「クラレンスは我々の監督であり、来年もそうだ」と話している。

16日のパルマ戦で敗れ、サポーターから激しい抗議を受けたミラン。ベルルスコーニ名誉会長は、セードルフ監督と話をしたようだ。情報筋によると、同名誉会長は、ミランの現状の責任はセードルフ監督にないと見ているようである。

セードルフ監督は就任して２カ月も経っていない。屈辱的な黒星は、セードルフ監督になってからだけではなく、マッシミリアーノ・アッレグリ前監督のときもあった。また、セードルフ監督はベルルスコーニ名誉会長が直々に選んだ人材だ。指揮官のことを信頼しており、ミランを再び高みに連れていくためのキーパーソンと見ているのである。

だからこそ、ベルルスコーニ名誉会長はセードルフ監督の続投を強調した。今季終了までではなく、来シーズンも、である。そうすることで、プリマヴェーラを率いるフィリッポ・インザーギ監督との交代の噂を鎮めるためだ。

ミランが危機にある理由は、ほかに探さなければいけないということだろう。ベルルスコーニ名誉会長のプライベートな会合について報じた『ANSA』によると、同名誉会長が“標的”にしているのは、むしろフロントだそうだ。投資をする中でハイレベルなチームをつくれなかったというわけである。

ベルルスコーニ名誉会長は「ミランはチームづくりが悪かった」とも話した模様。自身が費やした資金がうまく使われなかったことを悔しんでいるという。

さらに、イタリア国内でミラン以上にサラリーを支払っているのがユヴェントスだけということに、またミランほどのサラリーではないアトレティコ・マドリーにチャンピオンズリーグで敗れたことに、ベルルスコーニ名誉会長は納得がいっていないそうだ。