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いすみ鉄道は12月28日に発生した脱線事故により、一部区間でバスによる代行輸送を実施していたが、今月9日から全線で列車による運行を再開した。

同社は千葉県内の大原〜上総中野間(営業キロ26.8km)を結ぶ第3セクター鉄道。脱線事故が発生したのは12月28日13時41分頃で、いすみ300形による大原発上総中野行の普通列車が西畑駅を発車した後、運転士が車体に異常な振動を感じ、列車を停止させて確認したところ、先頭台車の前輪が脱線していたという。

乗客4名と運転士にケガなどはなかったが、事故の影響により、大多喜〜上総中野間で列車を運転できなくなり、バスによる代行輸送が行われることになった。12月31日以降は大原〜総元間で列車の折返し運転、総元〜上総中野間でバス代行輸送となっていた。

脱線した車両(いすみ300形)は現場から撤去され、復旧作業も進められた。試運転を経て、事故区間での列車運行に支障がないと確認できたため、1月9日の普通列車19D(大原駅12時59分発、上総中野行)から、全線での運行が再開された。

事故原因については現在、運輸安全委員会により調査中。いすみ鉄道では、「脱線事故の原因調査と再発防止策について」の中で脱線の経緯や推定される事故原因を説明するとともに、再発防止策として、「事故現場のカーブ付近で全列車時速15kmの徐行運転」「事故現場付近に脱線防止レールを今年度中に敷設」「全線のカーブおよび本線上分岐器の緊急点検(1月中)」「半径250m以下の曲線部分および緩和曲線部分に脱線防止レールを次年度以降敷設」の4つを実施するとしている。

なお、事故現場付近では当面、時速15kmの徐行運転が行われることから、下り列車の上総中野駅到着が1分程度遅れる場合があるとのこと。