NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(16日放送分)では、「イチロー4000本への道」と題し、ニューヨーク・ヤンキースに所属するイチローに行った独占インタビューの模様を放送した。

インタビュー前半では、4000本安打の偉業達成も「快楽に近い瞬間ですけど、本当に瞬間的なもの」と話したイチローは、「残るものは結局失敗して“なんで出来ないんだ”って言ってる自分」と語り、また、記録達成の10日後、9-1と試合がほぼ決まった状態で代打に送られた場面を例に挙げると「悪く言えば屈辱。一生忘れられない」と前置きしながらも、「それなりの屈辱によって自分を支えている」などとイチロー節を披露した。

さらに同番組内でイチローは自らの精神力や技術についても語っている。前者について「人はなんとなく言うんですよね。僕の精神、心が強いって。僕は色んなことに向き合うたびに自分の弱さしか感じていない。ただ、それと向き合おうとする自分がいることは確か。それを強さというなら、ひょっとしたらそうなのかもしれない」と表現すると、後者については「打撃の技術として最終形がない。だから前に進もうという意欲が生まれてくるともいえる」としている。

その他にも、長いインタビューの中では衰えや現役生活についても言及したイチロー。「(衰えは)本当はしたくない。そのままずっと上がっていきたいけど、なかなかそうはいかない。プロ生活22年になりますけど、ハッキリしているのは近道はないということ」と話し、「まだね、やれることが沢山あるというよりは苦しみが足りないっていうか。そんな感じなんですよ。それが十分になったら辞めようかなと思いますけどね」と独特の表現で現役続行に執念を見せると、「何かを達成したから辞めるというのはないような気がしますね。まだ苦しめるというのは、やれると思ってることも沢山ある」と自分に問いかけるように語った。