日米間で話し合われてきた新ポスティング制度の合意が暗礁に乗り上げ、東北楽天・田中将大のメジャー挑戦に暗雲が立ち込めている。

MLBが提示した条件案に対し、NPBと選手会が話し合った結果、「2年間に限定して承認する」と受け入れる意向を示したものの、回答に時間がかかったため、大リーグ機構のロブ・マンフレッド氏は「情勢が変わった」などと条件案を取り下げることを発表。一度は前進するかにみえた制度合意は白紙に戻り、長期化を余儀なくされる見通しだ。

そんな折、TBS「S1」(17日深夜放送)では、ダルビッシュ有の代理人を務めるスポーツエージェント・団野村氏が出演。継父である野球解説者・野村克也氏と共演を果たした。

(克也氏とは)「よく話します」という団野村氏は、今回の交渉が白紙となった理由について、「タイムリミットを超えてしまったっていうことで、(MLBに)隙を与えてしまったと思うんですね。隙を与えたことで経営者たち、金満と金欠球団の問題が再び勃発した。大きな市場だとお金をいっぱい持ってる。ポスティング費用を払える。小さいところは払えない。30球団のうち、3〜4球団ないし5球団くらいしか参戦できないので、他の25球団にはポスティングには関わってこない」と、MLB側の状況を分析した。

今後は、「時期がいつになるか分かりませんけど、年内に同じ案が出てくるのかなと。もしくは全く白紙で、白紙になるとFA選手もしくは自由契約選手しか獲れなくなる。そうなりますとまた問題で、アマチュア選手に手を出してくる可能性も出てくる」と指摘した団野村氏。注目される田中のメジャー移籍については「球団も許可を出していない。本人も行くっていう発言をしていないので分かりませんけど、ちゃんとしたルールができない限りは普通には行けない。全く動けないですし、メジャー側も契約してはいけないという辞令が出ていますから」と説明しつつ、「悪く考えれば、選手と球団(この場合であれば、田中と楽天)が密約を結ぶと。フリーにするから行った契約の半分を、年俸貰うたびに分担して払う。6年の120億であれば、その半分は分割で払って下さいとか。(他の選手に影響もあるので)そういうことはしないと思いますけど・・・・・・」などと、制度の隙をついた移籍の可能性についても言及した。

また、田中については、恩師である野村氏も「僕が監督やっていた時に“お前将来メジャー行きたいのか?”って行ったら“行きたいです”っていいましたから、気持ちはメジャーにあると思う」とコメント。次なる動きについて、団野村氏は「(修正案については)ウィンターミーティングの後じゃないですかね。(12月)10日前後じゃないでしょうか」と答えている。