良くも悪くも「涌井」に振り回される、ここ2〜3年の西武ライオンズである。

2010年の年俸調停、2011年のひじ痛による戦線離脱、そして2012年はスキャンダル。自他ともに認める西武のエース、一時はダルビッシュから唯一のライバルと目された涌井は、この3年で成績を大きく落とし、揚句にクローザーに収まった。

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涌井はセーブは稼いだが、救援投手としてのERAは2.57。抜群というほどではなかった。

涌井が抜け、帆足もいなくなった西武の先発陣を引っ張ったのは、牧田、岸の2枚。そして石井、西口の両ベテランだった。さらに夏以降、野上亮磨が安定感を増した。ここに7月から菊池雄星が加わった。

救援陣は、新外国人のウィリアムスが5月以降安定感のある当番を見せた。また十亀、大石達也とフレッシュな顔が働いた。その点では、まだ希望が持てる。

2012年と2011年の投手成績を比較する。

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投手陣は、さらに下落。千葉ロッテ、オリックスと大差がないレベル。これで打線が大幅にへこんだのだから、2位に入ったのが不思議なくらいだ。

ベテラン2枚はすでに賞味期限を過ぎている。いつまで頼ることができるかは不明だ。野上、菊池に続く投手が出てこないと、先発陣が維持できない。ドラフト1位の増田達至(NTT西日本)は、カーブピッチャー。即戦力の声が高い。

それにもまして、涌井の動静が気がかりだ。先発転向か、クローザーで行くのか。WBCに参加することも+に働くか、−か。
西武投手陣はまだ揺れ動くに違いない。