日清食品創業者の遺族を騙した男、懲役に

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(台北 14日 中央社)日清食品の創業者で「カップヌードルの父」と呼ばれる故・安藤百福氏が台湾に残した娘から、安藤氏の遺産を騙し取ったとして、台湾高等裁判所は13日、廖益豊被告(52)に懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡した。

2007年に96歳でこの世を去った安藤(旧姓・呉)百福氏は、日本統治時代の1910年に台湾南部の嘉義で生まれた。日本に帰化した後の1948年に日清食品ホールディングスの前身を設立、1958年には世界初のインスタントラーメンを、1971年には世界初のカップめんを発明した。

被害者の呉美和さんは、安藤氏が台湾の女性との間にもうけた子供で、安藤氏は美和さんに1430万円の遺産を残していた。そのことを知った廖被告は、高齢で日本語も分からない美和さんに「日本に詳しい親戚がいる」などと持ちかけ、2008年7月、相続手続きのため日本に同行。被告は「遺産受け取りには日本の口座がよい」とうそを教え、親戚の口座に振り込ませた全額のうち1200万円をその日のうちに持ち去った。

今年6月には桃園地方裁判所が2年6カ月の判決を下し廖被告は控訴したが、高裁はこれを却下し、刑が確定した。