イタリア対外貿易委員会の知的財産権部門がこのほど、中国当局に対して中国国内に存在する計30件の偽イタリアブランドを報告した。偽ブランドはイタリア製であると偽証し、国名や地名、さらにはイタリア国旗を用いた商標などで消費者に販売していた。イタリア政府は偽ブランドの存在は「イタリア国家のイメージを損なう」として、中国政府に適切な措置をとるように呼びかけた。中国青年報が17日付で報じた。

 イタリア製として寝具用品を販売していた「嘉加夢」という企業は、会社紹介としてイタリア・フィレンツェの住所を記載していたが、実は上海に本店を置くれっきとした中国企業だった。イタリア当局の調査により、イタリアの住所は虚偽だったことが明らかになった。

 「嘉加夢」はマットレスを3万4000元(約44万円)で販売しており、その原価は6000ユーロ(約65万円)と偽っていた。本物のイタリア高級ブランドのマットレスでも600ユーロ(約6.5万円)を越えることはない。イタリア当局はこのような偽ブランドは中国に数多く存在すると指摘した。

 イタリア当局の対外貿易委員会は2010年7月、北京に知的財産権事務所を開設、1年間にわたって中国市場を調査し、偽イタリアブランドを販売する企業を数多く発見してきた。こうした企業はイタリア製という名のもとに、価格を何十倍にも釣り上げて販売していた。

 イタリア当局は偽イタリアブランドがイタリアの国家イメージを損なうものとして、こうした企業に対して適切な措置をとるよう中国政府に訴えた。中国当局の関係者は、指摘された企業に問題があったかどうかは現在調査中とし、「知的財産権は中国の法律に従うものだけが保護されるものであり、中国政府も知的財産権を非常に重視している」と回答した。(編集担当:及川源十郎)