オダギリジョー、ベルリンではゲイタウンを満喫? 自然体で質疑応答
2月10日(現地時間)、第62回ベルリン国際映画祭でカン・ジェギュ監督映画『マイウェイ 12,000キロの真実』が上映され、ジェギュ監督、出演のチャン・ドンゴンとオダギリジョーが質疑応答に登壇した。
大作、話題作が揃うパノラマ部門で上映された本作は、第2次世界大戦に翻弄(ほんろう)される日韓アスリートの姿を描いたもの。前半、悪役のように描かれる日本人アスリートについて、演じたオダギリは「日本映画で戦争を描くと、どうしても日本人を悪く描けないでしょうし、韓国映画だから描ける部分も多いと思う。第2次世界大戦の1つの局面を描いている作品だと思います」と分析。
また、ジェギュ監督は「この映画の日本と韓国の青年の許しと友情に、観客が興味を持ってくれるかわかりません。時期尚早であったかも」と語り、司会者に「でも大事な一歩を踏み出したと思います」ととりなされる場面もあった。
きっちり正装のドンゴンに対し、ゆったりファッショナブルな姿で登場したこの日のオダギリは、答え方も対照的。印象に残っているシーンについてドンゴンは「戦闘シーンはすごいと思いますが、俳優としては役のキャラクターの方にもっと興味をひかれました。戦争は人を変えてしまう。善人が悪人になったり、悪人が善人になったりする中、僕の役は変わらない。夢を追い続けていく」と役への思い入れを語る。
対してオダギリは「観ていただくとわかると思いますが、本当に毎日がしんどくて。早く日が暮れて撮影が終わらないかと毎日思い続けた現場だった。その中で、海辺でサッカーをするシーン(の撮影)が、スタッフ、キャスト、エキストラが心から楽しんだ唯一の1日だったと思います。毎回、あのシーンを見るとほほ笑ましいというか、温かな気持ちになります」と観客までほほ笑ませていた。
終始自然体といったふうのオダギリは、ベルリンで楽しかったことについても「今日、昼に買い物に出たら、偶然そこはゲイの街ですごく楽しくて。今日1日ニコニコしていたと思います」とコメントした後、「僕はゲイじゃないです」と付け加え、またも観客の笑いを誘っていた。(取材・文:山口ゆかり/Yukari Yamaguchi)
映画『マイウェイ 12,000キロの真実』は全国公開中