映画『ファイナル・デッドブリッジ』より (C) 2011 NEW LINE PRODUCTIONS,INC.
 世界中で3D映画が大流行する昨今、アニメから時代劇まで枚挙にいとまのない作品群のなかでも3Dとの相性のよさという意味においてはダントツの完成度を誇っているのが、現在公開中の映画『ファイナル・デッドブリッジ』だ。

 言わずと知れた大ヒット映画『ファイナル・デスティネーション』(’00)シリーズの最新作にして、前作『ファイナル・デッドサーキット3D』(’09)に続く3D作品となった本作は、なんと3D映画としては史上初となる“R-18”指定。

 新作が封切られるごとにどんどん残酷かつ巧妙になっていく登場人物たちのド派手な死にっぷりは期待通りにエスカレートさせつつ、前作をはるかに凌駕する、飛び散り、吹っ飛び、突き刺さる……ド迫力の3D映像で魅せきってくれるのだから、これを劇場の巨大スクリーンで楽しまない手はないというもの。数あるロードショー作品のなかから本作を観るということはすなわち、分別のついたオトナにのみ許された至福のエンタメ体験を満喫することにほかならない。

 では、そんな本作が通常の2D作品より多めにお金を払ってでも観る価値があると断言できるポイントはどこか。以下に挙げる4つの要素をふまえて映画館に行けば、意中のカノジョ(もしくはカレ)とも大いに盛りあがれること受けあいだ。

“恋の吊り橋理論”で恋愛も成就!?

 まず第一はもちろん、PRサポーターの菜々緒さんも「好きな人がいたら、しがみつきたくなる」と太鼓判を押している“恋の吊り橋理論”作戦だ。なにしろ吊り橋を渡るドキドキどころか、巨大吊り橋の崩落というまさに九死に一生のシチュエーションを長時間にわたってシェアできる(しかも、暗闇で!)のだから、ふたりの距離が縮まることはもはや疑いようがない。

 しかも、ある現役スタントマンの証言によれば、生死に関わる決死のスタントを成功させた直後には、好むと好まざるにかかわらずやたらめったら生殖本能がうずきだすというから、生死に関わりっぱなしの本作が、動物学的にみても効果があるのは間違いなさそうだ。

VFXのプロが手がけた“本物”の3D

 そして第二は、空前の大ヒットを記録した『アバター』以来、すっかり3Dの旗手となっている巨匠ジェームズ・キャメロンの右腕ともいえるVFXの第一人者、スティーブン・クオーレが初監督を務めているという点だ。せっかく高いお金を払うなら、本場ハリウッドだからこそできる“本物”を体験したいもの。そういう意味でも、トップクリエイターたちによって周到に準備された本作の3Dは、巷にあふれる安易な“後づけ3D”にはない、“ならでは”の映像体験といえるだろう。

シリーズで観ると楽しさも倍増

 さらに第三に挙げられるのが、シリーズ作品だからこその醍醐味もしっかり用意されているということ。1作目、2作目に登場して強烈な印象を残した謎の検死官ブラットワースを演じるトニー・トッドの再登場はその最たるもの。ネタバレになるためここでは詳細は書けないものの、予習を兼ねて過去のシリーズを観なおしておけば、クライマックスでもよりいっそう楽しめることを保証しよう。
 
 ちなみに、このシリーズは、水戸黄門的な“お約束”がもつ安心感とともに、ほぼ90分というジャストな時間でサクッと観られるのも魅力のひとつ。映画館に行くまえにふたりで全作をプレイバックしつつ(一気に観てもたったの4時間!)、デートに向かう道すがら、「いまの死の予兆っぽくね?」などとおバカなやりとりをしてみるのも一興だ。

遊園地気分をお手軽に満喫

 でもって最後は、女子大生の心拍数を計測した前回のコラムにもあったとおり、本作そのものが遊園地まるごと1個分に匹敵するほどの絶叫アトラクションであるという要素。観賞料金だけをとれば割高感は否めないものの、乗り物フリーパスを買うことを思えば安いもの。1回3分程度で終わってしまうジェットコースターに30回連続で乗りつづける(実際、そんなことをしたら嘔吐は必至だけど)ぐらいのスリルと興奮を味わえて、しかも恋まで成就してしまうかもしれないのだから、なんともリーズナブルでよくできた話ではあるまいか。

 と、大きく4つの必見ポイントを紹介してみたが、いかがだっただろうか? シリーズ史上最叫の呼び声も高い、極上のアトラクション・ホラー。次の休みにはぜひとも誰かを誘って体感してもらいたい1本だ。むろん、そのときは「血は大丈夫?」と最初に聞くのも忘れずに!!

 史上最叫アトラクション・ホラー『ファイナル・デッドブリッジ』は、シネマート新宿、梅田ブルク7ほか、3D/2D/IMAX大ヒット上映中。

■関連リンク
『ファイナル・デッドブリッジ』特集
『ファイナル・デッドブリッジ』公式サイト