“ハマの裏番”中野渡進インタビュー「横浜ベイスターズはモバゲーに身売りしろ」

「今日も序盤から負けてるから球場に行くのやめよう」って思ってたファンも、毎日、山口が先発してりゃ、「おい、最初から勝負に出ちゃってるよ！」って球場に来るだろ。で、試合終盤に出てきた番長（三浦）や大家さんが打ち込まれるのを見てから帰ってもらえばいいんだよ。

――結局、負けてますけど……。

　今の横浜に大事なのは、ファンや相手チームに「横浜は何かをやってくるゾ」と思わせることなんだよ。今年のゲーム見たって、横浜１チームだけ何してーのか全然わかんねーだろ。それなら波留さんが現役復帰したり、尾花さんが投げたほうがよっぽどおもしれーんじゃねーか。なんでもいいから、とにかく仕掛けねぇと。

――ベイスターズは今オフ、身売りが濃厚といわれています。一部報道では、ＥＮＥＯＳ、モバゲーを運営するディー・エヌ・エー、Ｈ．Ｉ．Ｓ．、ノジマなどの名前が挙がっていますが、中野渡ＧＭなら、横浜が勝つためにはどこが親会社になるといいと思われますか？

　う〜ん……新しいことをやるならモバゲーの会社がいいんじゃないの。結局、今、どこの会社が球団を持ったって、引き継ぐだけじゃ赤字の垂れ流しでまた身売りだろ。モバゲーってのは携帯ゲーム屋なんだから新しい収益システムを作れるかもしれねぇ。例えば有料会員になってもらったユーザーは携帯サイトでスタメンの投票ができたりしてな。人気が出ればスタメン。なけりゃクビよ。ＡＫＢ４８の総選挙みてーでいーんじゃねーか。

――なるほど。ある意味、市民株主的な球団に生まれ変わると。

　ひとつのチームをみんなが支えるのよ。たとえ１００円でも、自分が投資しているチームは気になるだろ。チーム名は「みんなのモバ・ゲイスターズ」だな。エースは多田野で。

――……その心は？

　みんなの脅威だからだよ。あとキャッチャーには（相川）亮二に土下座して戻ってきてもらうだろ。野手では西武のチャラ尾（平尾）さんみたいな、野球はちゃんとやるけどチャラい人がいいな。あとは多田野ウケしそうな広島の廣瀬。どーゆー気であんなにモミアゲを伸ばしているのか聞いてみたいよ。あとは人気要員でＫＡＴ−ＴＵＮの亀梨だな。

――最後、素人じゃないですか！

　細山田よりは打つだろ。それぐらいやんねーとダメだろ。楽天がなんでうまくいったかって、結局、環境も何もまるっきり違うチームで再出発したからだよ。ベイスターズも劇的に変わらなきゃならねぇ。俺もモバ・ゲイスターズになったら春先の球場にもつ鍋でも売りにいくかな。本職はもつ鍋屋だからな。

（撮影／佐賀章広）

■中野渡進（なかのわたり・すすむ）
１９７６年生まれ、東京都出身。９９年ドラフト７位で横浜に入団。２００１年、６３試合に登板するも右ひじを故障。その後、球団とケンカして０３年にクビに。０４年、東京都国分寺市に「もつ鍋わたり」を開店。近著に『ハマの裏番もつ鍋屋になる』（ミリオン出版）。「今のベイでは中村紀が一番ハツラツとしてる。あれは横浜’ｓハイだ」とのこと。