【長島】わははは!

【諫山】それでも、「これで世界を見返してやる。世界に俺がいることを知らしめてやる」っていう気持ちで上京して漫画を描き始めました。その頃には、バイトをしながらもう後がないっていう状況だったので、“なんでもやってやる”っていう気持ちで卑怯(ひきょう)なことをいっぱいして取った初めての連載が『進撃の巨人』です。

【長島】おぉ〜。どんな手を使ったんですか?

【諫山】例えばですね、担当編集さんと共謀して、編集部の審査のときはてんこ盛りのネームを描いておいて、連載が始まったらストーリーを変えてしまったり(笑)。ただ、長島さんが「格闘技は趣味」とおっしゃっているように、僕も漫画家としてはプロじゃないんじゃないかと思っていて。

【長島】どういうことですか?

【諫山】最近、「プロとは人のために仕事ができる人だ」っていう言葉を聞いてすごくしっくりきたんですけど、じゃあ好き勝手に描いているだけの自分はプロじゃないっていうことじゃないですか。プロじゃないからこそ、自分にしか描けない作品を絶対作ってやろうと思うんです。

――リア充の世界に背を向け、好きなことを仕事にしたおふたりの職業観って、よく似ていますよね。最後に、もしもう一度人生をやり直せるとしたら、どんな青春時代を送りたいですか?

【長島】もっと早くから格闘技の練習に打ち込みたかったです。中学の頃からキックか日本拳法をやってればな。あとは、小学生くらいからアニラジ(アニメ系ラジオ。人気声優が七色のボイスで語りかけてくれる)を聴いていれば、オタクのエリートになれたのにっ(拳を机に叩きつけながら)。

【諫山】(笑)。僕は今の状況の9割が“運”だと思っていて、変な回り道をしていたら漫画家になれなかったかもしれないので、今とまったく同じ人生を歩みたいです。

【長島】あと、僕は友達もおらんしロクに学校に行かなかったけど、追いかける夢があったから楽しかった。だから、非リア充でけっこう。生まれ変わっても絶対リア充にはならへんわっ!

【諫山】僕も非リア充としての負のエネルギーを使って漫画家になれたので、今ひきこもりの人も、その感情を何かにぶつけたら実りある人生になるんじゃないかと思います。僕も絶対リア充にだけはなりません!(笑)

(取材・文/西中賢治、撮影/佐賀章広)

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