アル・パチーノと40歳年下の恋人ルチア・ソラ-第68回ベネチア国際映画祭にてVenturelli / WireImage / Getty Images

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 北野武監督の映画『監督・ばんざい!』の英題(『 Glory to the Fimmaker!』)にちなんで名付けられ、現代シネマに独自の足跡を遺した映像作家に贈られる「ジャガールクルト・グローリー・トゥー・ザ・フィルムメーカー・アワード」に米俳優アル・パチーノが選ばれ、現地時間4日、第68回ベネチア国際映画祭で授賞式が行われた。パチーノは40歳年下の恋人ルチア・ソラを伴って会場入り。記念の盾を受け取ると、高々と掲げて喜びを表していた。

 同賞は2007年に設立され、栄えある第1回は北野監督が受賞。以後、イランのアッバス・キアロスタミ、ベルギーのアニエス・ヴァルダ、米国のシルベスタ・スタローン、インドのマニ・ラトナム監督へ贈られてきた。パチーノといえば米国を代表する名優として知られるが監督としても活動しており、シェイクスピアの舞台劇「リチャード三世」の制作過程を描いたドキュメンタリー『リチャードを探して』(1996年公開)、日本未公開の『チャイニーズ・コーヒー』(2000年公開)を発表している。今回も監督第3弾となる、オスカー・ワイルド作の戯曲「サロメ」の舞台制作過程とワイルド自身に迫る新作ドキュメンタリー『ワイルド・サロメ(原題)/ Wilde Salome』を引っ提げてベネチア入りした。映画祭のディレクター、マルコ・ミュラーは「貴重な経験と独創性を基に、現代シネマをより豊潤なものにしてくれる驚くべき監督」と受賞理由を語っている。

 記者会見でパチーノは、「監督業をするようになってから寛大になった。映画の魔法が、私の人生に変化をもたらせたんだ」と監督業に惚れ込んでいる様子。もちろん俳優としての野望も持ち続けているようで「いまもオファーはたくさんくるからね。でも、自分が出演する意義を感じる作品にだけ挑んでいくつもりだ。私はその、自分なりの哲学を追い求めていきたい。それが私の将来(の予定)だ」と語ると、記者たちから拍手が沸き起こっていた。(取材・文:中山治美)

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