【エンタがビタミン♪】松本氏辞任会見で出てきた「フィービ・スノウ」と「カズオ・イシグロ」って?

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震災復興担当相に就任して9日目にして辞任した松本龍氏が7月5日に行った辞任会見で「フィービ・スノウ」や「カズオ・イシグロの本」を心境を語る際の例えとして用いた。「フィービ・スノウ」は米国の著名な歌手だが、今回の松本氏の発言で4月に亡くなったことを初めて知った者も多いようだ。

7月5日に震災復興担当相を辞任した後に開いた記者会見で松本龍氏が発言した中に次のような言葉があった。「色々言いたいことはあるが、謎かけをしようと思ったが、今日、これからいなくなるから。私は、これからは。4月に亡くなった歌手でフィービ・スノウというのがいる。また、5、6年前に出たカズオ・イシグロの本ではないが、これからは子どもたちのために『ネヴァー・レット・ミー・ゴー』。私は被災された皆さんたちから離れませんから。粗にして野だが卑ではない松本龍、一兵卒として復興に努力をしていきたいと思っている。(発言より抜粋)」というものだ。大枠でとらえると『辞任しても被災地の復興に尽力したい』ということなのだろうが、いきなり「4月に亡くなった歌手フィービ・スノウ」が持ち出されて巷でもそれが誰なのかと話題となっている。

フィービ・スノウは米国の女性歌手で1974年にデビューしている。シングル「Poetry Man」が全米5位となり、グラミー賞新人賞にノミネートされて実力派ミュージシャンとして注目された。彼女の音楽スタイルはジャンルでくくれないもので、ジャズ、ブルース、ゴスペル、フォーク、ポップといった要素がブレンドされた個性的なものでビブラートのきいた独特な歌声と合わせて他のアーティストからも注目されていた。松本氏が「これからは子どもたちのために『ネヴァー・レット・ミー・ゴー』」と話したのは正しくは彼女の楽曲である『ネヴァー・レッティング・ゴー』を例えに出したと思われるが、寂しげに歌い上げられるその内容には「紳士のように立ち去るべきなのか。でも、あなたを失わないためならどんなことをしても戦うつもりだ。正気じゃないことはわかっている。でも簡単に諦めるなんて、できっこない。」というフレーズもあり松本氏の心境を重ねたのかもしれない。

会見後のインタビューで松本氏は「(7月4日)9時半ごろ、キングハーベストという店で、昔の音楽を聴きながら、今までのことを振り返りながら、決断の時だろうと思いました」と話している。そこに出てくるのは都内港区赤坂にあるダイニングバー『KING HARVEST(キング ハーベスト)』と思われ、60年〜70年代のジャズ・ソウル・ロックなどが流れるオールドアメリカンな雰囲気の店なのだ。ここで彼がフィービ・スノウを聞いたのではとも考えられる。今回の「フィービ・スノウ」発言で驚いたのはファンばかりでなくソニー・ミュージックの関係者も「松本復興相が辞任会見で弊社アーティストを引き合いに出すとは面喰らいました!」と話題にしている。彼女は昨年より闘病していたが、今年4月26日に脳内出血の合併症のため、自宅のあるニュージャージー州エディソンのJFKハートウィック病院で亡くなった。60歳だった。ソニー・ミュージックでは『追悼企画 フィービ・スノウ初の紙ジャケ化!』として「薔薇の香り『完全生産限定盤』」など4枚を8月3日発売する予定だ。そんな矢先に予期せず松本氏の発言があったので驚いたというわけである。

松本氏の発言で「5、6年前に出たカズオ・イシグロの本ではないが…」はさらに理解に苦しむところだろう。カズオ・イシグロ(56)は長崎県出身のイギリス人作家でロンドンに在住している。5、6年前の彼の作品となると『わたしを離さないで(Never Let Me Go)』なのだが、松本氏はやはりそのタイトルから引き合いに出したと思われる。だが、この作品は内容が難解で深く、施設で外界と隔離されて育つ子どもたちや、クローン技術や臓器移植などの問題も出てくるのである。「被災地の為に今後も尽力する」という心境を語る際に引用するには、あまりにイメージが離れすぎではないかと思われるのだ。

松本氏は失言に関して「言葉が足りなかった」とも話しているが、辞任会見で「フィービ・スノウ」と「カズオ・イシグロの本」を話題に出して彼の真意を伝える際も、もう少し言葉が欲しかった。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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