ズッファイベント・マンスリーとなる6月4日(土・現地時間)のTUF13フィナーレに続き、今週末11日(土・同)、カナダはブリティッシュコロンビア州バンクーバーのロジャース・アリーナで、UFC131「Dos Santos vs Carwin」が開催される。

当初の予定では、今大会はTUF13のコーチ対決ジュニオール・ドスサントスとブロック・レスナー戦が組まれていたが、レスナーが憩室炎を再発し、同大会でユノラフ・エイネモと対戦が決まっていたシェーン・カーウィンに代役出場の白羽の矢がたった。現UFC世界ヘビー級王者ケイン・ベラスケスへの挑戦権が賭けられた試合として、元暫定ヘビー級王者の登用は、レスナー戦の敗北からはじめての試合となる点を除けば、最上の選択といえるだろう。

昨年7月にレスナーをKO直前に追い込みながら、肩固めで逆転負けを喫したカーウィン。上記にあるよう、11カ月ぶりの試合が、肩慣らしの一戦でなく最強の座を争う最大のライバル=ドスサントスとの試合という点に不安は残る。

UFCヘビー級戦線の秒殺王、破壊力の十分のパンチとテイクダウン能力を誇るカーウィンだが、体力面への不安は残り、何よりも実戦の感が戻っているかどうか疑問があるなかで迎えるドスサントス戦は、決して楽な戦いにはならないだろう。

パワーではカーウィンに後れを取るドスサントスだが、足技、ヒザ蹴りなどを交えた打撃のコンビネーションの多彩さは大いに上回っている。典型的なボクシング&レスリング・スタンスのカーウィンの突き出た前足は、ドスサントスのローの恰好の餌食になる可能性も高い。

その一方でローやジャブのプレッシャーをもろともせず、カーウィンの一発が試合を決める可能性も十分にある。勝ち負けでなく、純粋に楽しみな攻防は、ドスサントスがテイクダウンを許したケースだ。アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの愛弟子で、現在は茶帯。ミノタウロ自身も『すぐに黒帯を与える』と発言しており、これまでオクタゴンで見せたことのないドスサントスのグラウンドワークが、この試合で披露されることになれば、その試合展開への興味も倍増する。