1987年ベナブレス監督が率いたシーズン以来のホーム開幕初戦負けを喫してしまったバルサ。当時は1−2でセビージャに敗れたが、昇格したばかりのエルクレスに0−2の完敗だった。「0−3、0−4で負けてもおかしくなかった」とグアルディオラ監督も認める通り、守備を固めカウンター攻撃に徹するエルクレスをこじ開けることはできなかった。

 CL初戦パナシナイコス戦、リーガ第3節のアウェイ対アトレティコ・マドリー戦と厳しい試合が続くためか、グアルディオラ監督はプジョール、チャビ、セルジ・ブスケツ、ペドロ、ダニ・アウベス等を温存して試合に臨んだが、デビュー戦となったマスチェラーノはチームに噛み合わず、さらに中盤でスムーズなゲームの組み立てに苦しんだ。

 「チャビの代わりになるような選手はいない。しかし、チャビがいなかったことがエルクレスに敗れた敗因ではない」と語ったグアルディオラ監督だが、チャビの他にセルジ・ブスケツも欠いたのはバルサにとって痛すぎた。選手の“組み合わせ”の失敗と言うしかない。

 バルサのポゼッションサッカーを実践する上で、セルジ・ブスケツは必須となっている。ちょうど2年前にトップデビューを飾ったセルジ・ブスケツは、チャビやイニエスタがポジションを下げると、空いたスペースを利用し侵入。さらにスペースに動くことで相手を引き連れ、仲間にスペースを創出するなど、他の選手にはなかなか無い特徴を持った選手だ。

 チャビがいないのは大きかったが、さらにセルジ・ブスケツまで欠けてしまうと動きでスペースを作ってくれる選手がイニエスタしかいないことになる。これでは後方で構える相手を引き出すことができなくなり、FWはいつもマークを背負う状態になってしまいメッシ、ビジャという強力な前線の選手がいてもはまってしまう。

 もちろん敗因はそれだけではないが、今後もエルクレスのようにバルサを研究し尽くし、しっかり守備からカウンターという徹底した試合運びをするチームに対しどのように解決策を見出して行くのかがバルサの課題となりそうだ。

(スペイン通信)