【オピニオン】人材紹介会社の価値と適正料金問題−日本人材ニュース
 この不況の影響で課題となってくるのが、紹介料の値引き(ダンピング)の問題である。現在、一般的に紹介料の多くは成果報酬型で30%、ヘッドハンティングなどのリテイン型で45%などとなっている。ところが、この不景気で背に腹は変えられない状況になっているのか、25%、20%とディスカウント・ショップ顔負けの値引きを行っている会社もでてきた。また、企業側から「他社では20%でやっているから」と料率の引き下げを求められた例もある。



 人材紹介会社からすれば、経営を圧迫する値下げ要求は勘弁して欲しいというのが本音だろう。だが、これには値引きを要求する企業側にも言い分がある。「景気のよいときは、一方的に料金の値上げをしてきたではないか」。

 確かに成果報酬型の人材紹介では、昨年前半までに、30%から35%に料率を引き上げた会社も多数あった。景気がよくなったら値上げする、不景気のときは値引かないでは筋が通らない。

 本紙の20年をひも解くと、景気が悪くなる、あるいは、競争が激しくなると、必ずこの料率問題が頭をもたげてくる。バブル崩壊による不況の時も、料率問題は景気が本格回復するまで続いた。景気の好し悪し、あるいは競争が激しくなると目まぐるしく料金体系が変わるというのは、未成熟な業界にありがちなことだが、今回もまた同じことを繰り返している。

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