首狩り族。

この言葉を聞いただけで、
なんか背中に寒いものが走りますね。


首狩り族は、東南アジア、南米など、
世界各地にその存在が確認されており、
意外にたくさんいる部族だそうです。

現在も、多くの部族は、
現代文明からある程度孤立した形で
生活しています。

ただし、首狩りの風習は政府によって
禁止されたりして止めてしまった部族
も多いようです。


彼らは、エスキモーの生活にも近い、
原始共産制の集落を形成しており、
いわゆる「酋長」や「王様」もおらず、
お互いに助け合いながらひっそりと
暮らしてきました。

そして、軍隊さえ持たない彼らが、
部族全員で自分たちの猟場や農地を守るため、
外敵の首を問答無用で切る風習を続けてきた
ようです。


首狩り族というと、
獰猛で野蛮なイメージがありますよね。

でも、実態は繊細で臆病な人たちだそうです。


「首狩り」は、決して楽しみや狂気的な信仰に
基づくものではなく、部族生き残りの手段として
(やむを得ず)行われてきたらしいというのが、
首狩り族の研究を行った民族音楽学者、
小泉文夫氏の見解です。


さて、首狩り族は、お互いに領地を守るため、
あるいは拡大するため、部族同士での戦争を
行うことがあります。

「首狩り合戦」ですね。


小泉氏は、こうした部族間の戦いにおいて、
首狩りが上手な部族は歌がうまく、
逆に、首狩りが下手で首を狩られてばかりの部族は
歌が下手な傾向があることを発見しています。


たとえば、首狩りが一番うまい

「ブヌン族」

は、周辺の部族をみんな
滅ぼしてしまったそうですが、
合唱が大変に上手。


彼らは、首狩りに行く前に合唱を行います。

まず、老人がワーッと即興で歌いだし、
その旋律に皆がハーモニーをつける。

西洋音楽は聴いたことがなく、
もちろん、平均律も知らない彼らですが、
そのハーモニーは純生調!

ぴったりとあうハーモニーを探し出す。
例えば「ドミソ(ミのピッチは少し低め)」。


そして、美しいハーモニーが作れれば、


続きはこちら