間違ったABP目標:「全体達成した月は覚えがないですね」/伊藤 達夫
「達成/未達成」は営業現場では聞きなれた言葉でしょうね。いわゆるリクルート系、GMO系、どちらの営業にも存在する言葉です。でも、「全体達成なんて覚えがない」と社員が言うようなABP目標を立てていると会社はやはりいい状態とは言えませんね。

 ABP目標とは、アグレッシブだけど、ポシブルな目標のことです。まあ、ノルマというには高いけど、高い目標を掲げるにはいい数字ということです。

 ABP目標に対しては、達成/未達成で、高いインセンティブをつけますね。

 にんじんぶらさげ方式は、営業の世界ではけっこう当たり前です。

 でも、ABP目標をあまりに高くすると、達成しないのが当たり前になってきます。

 そーすると、社員さんは相当しんどい・・・。離脱率も高い。豊かな暮らしもできない・・・。

 雨後のたけのこのようにある通信回線を営業する会社で、異様に高いABP目標を設定しているところがありました。

 社員さんによると、「全体達成?そんな月は覚えがないですね。いや、多分、インセンの設定あると思いますけど・・・」

 うーん。これ、明らかに目標設定としては間違ってますよね・・・。

 でも、この会社のビジネスモデルをよくよく見てみると、20代の若者に月給20万円ぐらいで営業させる。

 1日、テレアポだと150件ぐらいかける。飛び込みだと100件ぐらいかける。まあ、アタックですな。

 それで、案件になるのは、月に2〜3件ぐらい。案件化すると、マネジャー同行でクローズ。

 20営業日とすると、テレアポだと、月に3000アタック、飛び込みだと月に2000アタック。

 コストは20万円也・・・。案件の獲得コストは1件、7万〜10万円。

 DMを2000〜3000件、新規で打つと、30万ぐらいかかりますよね・・・。

 効果は多分、同じぐらいだと思います。

 なんと、人力のほうが安上がり!


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