湖池屋CM「コイケ先生」こと阿部サダヲは誰に語りかけている?/金森 努
阿部サダヲが若手中学校教師「コイケ先生」を演じる、湖池屋ポテトチップスのCM。商品の「味」には全く言及せず、ひたすらアドリブの効いた独特の世界観を醸し出している。その意図は何だろうか。
昨年から始まった「コイケ先生シリーズCM」も現在、第5弾が放映されている。昨年は放送批評懇談会主催のギャラクシー賞CM部門で優秀賞を受賞するなど快進撃を続けているのだ。
同社のCMといえば、「ヒーヒーおばあちゃん」のカラムーチョや、「ポリンキー劇場・三角形の秘密はね」のポリンキー、「ドンタコスったらドンタコス!」のドンタコス、「スコーンスコーンコイケヤスコーン〜♪」のスコーンなど、ユニークなCMは枚挙にいとまがない。一連のCMと商品の連携は、同社の開発したユニークな商品をさらにユニークなCMで告知して盛り上げるという構図になっており、括弧書きしたように、そのCM内容もキャッチコピーやフレーズが極めてわかりやすくて印象的だ。
しかし、「コイケ先生」は少々様相が違うように思われる。
商品はド定番商品のポテトチップスだ。1962年に湖池屋が全国で初めて量産化に成功した由緒正しい商品であるが、もはや独自性も新規性もないことは明らかである。CMの「コイケ先生」は、従来のオリジナルキャラクターで目をひいたり、印象的なコピーやフレーズで話題をさらうものでもない。コイケ先生を中心とした生徒や教師同士のやりとりを見て、少し考えさせてニヤリと笑わせるタイプの内容だ。からっと分りやすいというより、どちらかというと少々ネチっこくてクセになるCMだと言える。つまり、「コイケ先生」シリーズは、従来と全く異なる商品とCMの連携パターンを展開しているのである。
スナック業界で考えれば、リーダー企業は「カルビー」であろう。板橋区、北区と同じく東京の城北地区に本拠を置く両社であるが、両社の売上げ規模は桁が一つ違う。
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昨年から始まった「コイケ先生シリーズCM」も現在、第5弾が放映されている。昨年は放送批評懇談会主催のギャラクシー賞CM部門で優秀賞を受賞するなど快進撃を続けているのだ。
同社のCMといえば、「ヒーヒーおばあちゃん」のカラムーチョや、「ポリンキー劇場・三角形の秘密はね」のポリンキー、「ドンタコスったらドンタコス!」のドンタコス、「スコーンスコーンコイケヤスコーン〜♪」のスコーンなど、ユニークなCMは枚挙にいとまがない。一連のCMと商品の連携は、同社の開発したユニークな商品をさらにユニークなCMで告知して盛り上げるという構図になっており、括弧書きしたように、そのCM内容もキャッチコピーやフレーズが極めてわかりやすくて印象的だ。
しかし、「コイケ先生」は少々様相が違うように思われる。
スナック業界で考えれば、リーダー企業は「カルビー」であろう。板橋区、北区と同じく東京の城北地区に本拠を置く両社であるが、両社の売上げ規模は桁が一つ違う。
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