たるんだお腹もへっちゃら、「痩せてないモデル」のヌード写真に大反響。

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その美貌やファッションセンスで世の人々から羨望の眼差しを送られるモデル。憧れの的となる理由のひとつには、“抜群のプロポーション”と表現されるようなスタイルの良さがある。特に女性モデルの場合は、脚やお尻、お腹や腕など、気をつける部分も多く、ストイックな食事のコントロールや継続的な運動といった努力によって、細い体型が保たれているというのはよく聞かれる話だ。しかし、米国でモデルを務める20歳のリジー・ミラーさんは、そうしたモデルに対する一般的なイメージとは全く逆の意味で注目を集めている。

美しい顔立ちのミラーさんは、米ファッション誌「グラマー」の9月号でヌードを披露し、同誌の読者から大反響を呼んだ。その理由は「美しいモデルのヌード」が掲載されたから……ではなく、「たるんだお腹周りも包み隠さず見せたヌード」だったから。写真はミラーさんが台に腰をかけ、足を組み、腕でバストを隠しつつ横を向く形で撮影されているのだが、そのお腹周りは肉付きが良く、いわゆる“ほっそりとしたモデル”のイメージとは大きく異なる。

ミラーさんは身長約180センチ、体重約79キロと大柄な女性。思春期の頃には自分が大柄であることを認識していたが、いろいろと考えていくうちに「私は自分の体が大好きとわかった」(グラマー誌より)そうで、今は自分のスタイルに自信を持っているという。そんなミラーさんがヌード写真を撮影したのは、グラマー誌が読者に対して「もっと自分の体に自信を持って、好きになろう」と訴える特集記事のためだ

グラマー誌がこのテーマで特集記事を組んだのは理由がある。数か月前、グラマー誌の読者でジーンズショップの店員を務める女性が、ある意見を編集部に送ったのがきっかけだった。この女性は「毎日100人以上やってくるほとんどの女性客に、自分のお尻か太ももに合うジーンズを見つけて欲しいと頼まれる」そうだが、結局は腹周りなども含めてちゃんと履ける、大き目のサイズを選ばざるを得ないという。しかし、勧めたサイズで納得する客は少なく、苦労が絶えないそうだ。

この意見にグラマー誌は注目。同時に読者の一般女性に「もっと自分の体を観察して、体型を認識しよう」とも呼びかけた。その上で、自分の体型をポジティブに捉えることを推奨し、さまざまな職種に従事する女性の意見を紹介している。例えば「体の好きな部分に集中すれば、嫌いな部分は消えていく」(カメラマン)、「自分自身に忠実なときが、最も気分が良いはず。自意識は喜びの邪魔」(衣装コンサルタント)などなど。どれも女性にポジティブな考えを勧めるものだ。

そんな特集記事の象徴として、ミラーさんのヌード写真が掲載されたわけだが、これが多くの女性の共感を呼び、大反響を巻き起こすことになる。編集部には多くのメールが届き、その内容は「これまで見た女性誌の中で、最も驚いた写真」「こんな美人にも本当にお腹のぜい肉がある」など、驚きと好意的な意見で占められていた。多少お肉が付いていようとも美しい人は美しいと、読者の女性には大いに励みとなる1枚になったようだ。

また、グラマー誌のウェブサイトにシンディ・リーブ編集長が投稿した今回の件に関する記事には、900件を超えるコメントが寄せられ、今なお件数が増え続けている。そこには「彼女は全く醜く見えない。とてもかわいく見える」「リジーは自信に満ちている。そのまま誇り高くいてください」とミラーさんを称賛する声がズラリ。また、「普通の女の子を雑誌に載せ続けてください」「現実の“普通の女性”の記事を書き続けてください。その雑誌を見た私をみんなが好きになってくれたら嬉しい」と、グラマー誌への要望も多く寄せられている。

ちなみに、グラマー誌には2回目の登場だったというミラーさん。この写真のおかげでテレビ番組に出演したほか、本業のモデルの仕事もたくさん舞い込んでいるそうだ。